大人の本

職業外伝

子どものころ、私たちが遊んでいた路地にもよく「紙芝居のおじさん」がやってきました。お話が始まるまえに自転車の荷台の小さな木箱からおじさんがとりだす水飴をみんなで買うのが、子どもたちの楽しい決まりでした。木枠の中の絵を引き抜きながら声色を使っ...
こどもの本

ぞうくんの さんぽ

我が家の人気絵本の一冊がこれ。自分で文を覚えて読むことができるようになったころ、娘たちは、いつも本棚から取り出しては「きょうは いいてんき。ぞうくんは ごきげん」と声を上げて読んでいましたっけ。おおきなぞう君の背中に、かば君が乗って、そのま...
大人の本

ダ・ビンチ・コード

キリストが処刑されるまでをリアルに克明に描いたメル・ギブソン監督主演の『パッション』という映画がアメリカで評判となった時、他の宗教を否定する主観的独善的ブッシュ型キリスト教史観がさらに広がっていくのではないかと危惧しました。そしてキリスト教...
こどもの本

ロビン・フッドのゆかいな冒険

たぶん私が小学生の頃です。父母が岩波少年少女文学全集全30巻を購入し始めました。おそらくは仕事柄付き合いが深かった書店に勧められたのでしょう。毎月か隔月かは分かりませんが、父が緑と黄色でデザインされた本を持って帰るのです。なるほど全集という...
大人の本

芭蕉紀行

数年前、立石寺(山寺)に立ち寄ったことがありました。『閑かさや岩にしみいる蝉の声』芭蕉の俳句で有名なお寺です。ちょっと立ち寄っただけなので、石段を登ったところにある蝉塚まではいけませんでしたが、奥の細道の有名な俳枕である東北のお寺で感慨にふ...
こどもの本

はせがわくん きらいや

「なあ おばちゃん なんで長谷川くん あんなにめちゃくちゃなんや。」ゆうたら おばちゃんため息をついた。昭和30年のいわゆる森永ヒ素ミルク事件で死亡した赤ちゃんは120人以上、1万数千人以上の乳児が重い障害や健康被害をうけました。著者の長谷...
大人の本

八代目橘家圓蔵の泣き笑い人情噺

新春の落語は「えー、一陽来復いたしまして、まことにおめでとうございますな」なんて始まりますが、最近のテレビでは落語もなかなか放映されなくなって、こんなせりふもあまり聞かれなくなってきましたね。落語をはじめとする日本の伝統芸能にとっては厳しい...
こどもの本

車のいろは空のいろ

この本の中の「白いぼうし」という一編が小学校の教科書に採用されているそうですので、おなじみの方も多いのかも知れません。 空いろのぴかぴかのタクシーの運転手・松井五郎さんが出会うちょっと不思議なできごと。 (おやっ、あの人、きつねじゃないかし...
大人の本

平家

私は元来、平家が好きなんですね。以前、永井路子さんの『波のかたみ』(中央公論社刊)を読んで、平家の側から歴史をながめると天下の大悪人のように描かれてきた平清盛が、時代を切り開いていく人物として素敵に描かれているのに感心したものです。 池宮さ...
こどもの本

てぶくろ

雪深いウクライナの森の中、歩いてきたおじいさんが「てぶくろ」を片方落としてしまいます。そこへやってきたのはネズミ。「ここでくらすことにするわ」つぎにカエル、ウサギ、キツネ、オオカミ、イノシシ、クマ。つぎつぎにやってきて「てぶくろ」の中に入っ...
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