検察の主張は真実か?清田市議事件

小倉南区の市営テニスコートに油を撒き工事を妨害した共犯として昨年12月に逮捕され起訴された清田眞前市議にたいする第二回公判が16日午前十時から福岡地方裁判所小倉支部で開かれ、検察側は清田被告に2年8月を求刑しました。
この事件は、事前の取り調べもなく、市議会開会中に、突然、現職市議を逮捕し拘留するという事態を発端に、工事妨害を指示したという点を被告が一貫して否定いるにもかかわらず、一方の当事者の供述内容のみを根拠に起訴するという検察側の強引ともいえる手法で進められている点に、実はこの間、私は違和感を覚えてきました。

今日の公判で検察官は「利権を失う事をおそれた清田が、新規業者の参入を阻止するため工事妨害を指示したものであり清田こそ首謀者である。」と主張しました。「清田に工事妨害を指示された業者側のM営業所長の供述は詳細で具体的であり信用できる」というのです。
これに対して弁護側は「今回の事件について清田が責任を負わないとは言っていないし責任を他人に押しつけるものでもない。だがその上で、この事件を清田が主導したかのような検察の主張は看過できない。清田は、工事を取られたMの悔しさに同情して同調する発言をしたものだ」と主張しました。
そして、Mの供述が当初から変化していること、工事妨害の利害関係は営業所長の地位すら脅かされるという点でMにおいてこそ決定的である一方、清田の場合はその地位を失う事になりかねないこと、しかも妨害の効果的な時期の選定などは工事を熟知しているもののやり方であり工事の素人たる清田には具体的指示が出来ようもないはずがないこと、再三実行を迫られたというのに実行後、Mが清田には長期間にわたって何らの連絡もしないというのは極めて不自然であることなど、と述べた弁護側の指摘は具体的で当を得ていました。
清田夫人や長年の友人が、日頃からの業者との癒着や暴力団との関与などについて、そろって「信じられない」と述べた点も、この間のわれわれの実感と一致します。

確かに清田被告が、談合の実態を知りながら業者との癒着して多額の金品を受領したこと、暴力団を使ってトラブルを解消しようとした事などが公判を通じて明らかになり、市議の職責に反し市民を裏切るこれらの行為を行ったことについては断じて許されることではありません。
しかし「利権の消失をおそれて事件を指示し清田こそが首謀したのだ」という検察側のストーリーの描き方は少々乱暴であり、真実からは遠いと私は思っています。
清田被告はすでにこの事件での自らの行為を深く反省し、すでに議員辞職もした上、社会的制裁も受けています。
裁判は今日で結審し来月21日午前10時から判決が言い渡されることになりましたが、この上は裁判官がこの事件について真実を正しく理解した上でそれにふさわしい判決を下されることを望みたいと思います。
おそらく事件はそれで決着し終結することになりますが、一体、なぜこれほど検察と弁護側の主張が食い違うのか、この事件の本質と真実とは何だったのか。身近な議員活動をめぐって起きた事件だけに、できるだけ私もフォローしていかなければと思っています。

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