日中首脳会談を歓迎

先日から北九州市議会第16次訪中団の訪中で感じた点についてご報告してきましたが、その中で、北京の日本大使館は「中国の対日対応が明らかに変化してきたこと」を受け、11月のエイペックで安倍首相と習近平国家主席による日中首脳会談が実現するよう木寺全権大使を先頭に「一丸となって努力」されていることにも触れてきました。

大使館以下関係者のご努力の甲斐あって、今日、約2年半ぶりに両国首脳会談が実現しました。これを歓迎したいと思います。

報道によれば、両首脳は「日中の戦略的互恵関係を発展させる」ことなど、事前に日中両政府が合意した事項に沿って関係を再構築することを確認したとされています。

また、安倍首相は「中国の平和発展は国際社会と日本にとって好機だ」とし、歴史問題について「歴代政権の歴史認識を引き継ぐ」との方針を強調したと報道されています。

多くの識者が、日中関係の現状に強い危機感を感じておられた(たとえば、以下注1のような指摘など)ときに、日中首脳の対話が実現し「戦略的互恵関係を発展させる」などを確認しあったことを素直に歓迎したいと思います。

すでに幅広く深い交流が進んでいる現在の日中関係のもとで、国家首脳同士お互いが尖りあって非生産的な対立に向かうなど愚の骨頂ではありませんか。

 1972年9月の日中共同声明は「日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
 両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。」と明確に述べています。

国の指導者は、42年前の原点に立ち返って、冷静になって両国民の幸福のために努力することが求められているのではないでしょうか。

写真は、上海と北京の朝の風景。訪れた中国各都市には、普通の人々の暮らしがありました。


上海にて.jpg


北京にて.jpg

注1)「2012年以来、日中は長期かつトータルな大綱の関係に入りつつある・ある意味では『新冷戦的な状況』に近付いてきており、危険な段階に入ったと言えよう。」毛里和子早稲田大学名誉教授。」

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