在宅介護現金支給に「えっ!」高山市の施策

視察3日目は高齢者支援について、高山市議会でヒヤリングしました。
飛騨地方の中心地・高山市も昨年合併して21万7千人に。面積で岐阜県の20%以上を占めるのに、人口では4.6%。合併した周辺地区を中心に過疎が進み、多くの高齢者問題を抱えているだろうことは想像に難くありません。
説明をいただいた高年介護課の課長さんは「高山の高齢化率は平成18年で23.6%を越えました。第3期の介護保険料も基準額が月4900円となりました。お酒を飲むことが多い高山の文化もあって今後の健康・介護など高齢者生活支援の問題は市の大変重要な課題だと思っています。」と述べて施策の説明をされました。

高山市の高齢者生活支援で興味深かったのは、まず「温泉保養施設利用費の補助」です。温泉の多い高山市ですが、市が指定する温泉保養施設や銭湯の利用料360円から600円の内半分を市が補助するもの。年間一人20枚のチケット制で、計7万1千人が利用されています。なるほどなあ。

また「在宅寝たきり老人の介護者慰労金」として要介護4、5認定者を在宅で6ヶ月以上介護している家族に月1万円の慰労金を支給しているのには「えっ!」と少々驚きました。介護保険の制度の議論の際「介護者が縛られるおそれがある」として現金給付は取り入れられなかった経緯があるからです。
質問に対して課長さんは「施設入所を考えれば、経費は安いのであり廃止などは考えていない」と言い切りました。介護保険制度がありつつも、重度要介護者の在宅介護には確かに家族に重い負担がのしかかります。しかし在宅サービスのメニューもある介護保険制度を、一般施策で補完をする形のこの施策はいかがなものだろう、その効果などもさらに検証してみるべきなのだろうと感じました。

歴史ある高山市を離れて、午後私たちは名古屋へ。小牧の県営名古屋空港から50人乗りのボンバルディア航空製のジェット機で新北九州空港へと帰路につきました。定期航路開設後はじめてこの路線に搭乗しました。
小牧から北九州までわずか1時間余り。ちいさな飛行機はそんなに揺れもなく、アテンダントさんの対応もにこやかで良い感じでした。飛行機は定刻に北九州空港に到着。迎えにきたカミさんと一緒に帰宅しました。便利ですねえ、新北九州空港。

写真は高山市の歴史的町並み保存地区。名古屋空港から乗った50人乗りジェット。

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