防災の日-正しく恐れて対策をとろう

今日は関東大震災から89年目の9月1日。防災の日として全国各地で防災訓練などが実施されました。

昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生後、内閣府の中央防災会議は、それまで発表してきた主な震災被害想定の見直し作業を行ってきました。東北の地震による死者は最大でも約2700人と予測していたものが、今回の地震では死者・行方不明者数は2万3000人を超える被害となり、これまでの想定が過小評価であったのではないかと考えられることになったためです。

8月29日に発表された南海トラフの巨大地震による被害想定は、東海地方が大きく被災する最悪のケースでは死者32万人、建物の全壊や焼失は94万棟にも及ぶという、予想していたとはいえ衝撃的なものでした。

「過去のデータに基づいて地震の規模を想定し、発生する津波の計算をしてきた従来のやり方ではなく、何が起きうるかを考えて最悪のシナリオを用意」(関西大学・河田惠昭教授)した結果であり、まずはしっかりと受け止めることが必要だと思います。その上で、考えられる効果的な対策を具体的に進める必要があります。

北九州市も、すでに地震や津波対策を含めた地域防災計画の見直しに着手しており、今後、具体的な内容を詰めていくことになります。

北九州地域では南海トラフによる地震の影響は、最大震度5弱、周防灘沿岸地域への津波は最大4メートル、到達するまでの時間も200分以上と、対策が不可能ではなさそうな予測ですが、海上にある北九州空港でどう対応するか、島々での対策は、沿岸学校での避難訓練は、などなど具体的な対策はまだこれからでしかありません。

地域防災計画の見直し検討会の座長には、幸運にもあの「釜石の奇跡」で知られる群馬大学・片田敏孝教授についていただいておりますので、先生のご指導のもとにしっかりと具体策を検討していきたいと考えています。

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