「困難をかかえる子ども若者支援を進める」

市議会で保健病院常任委員会が開かれました。委員会では、まず市内各区役所など8か所に設置してきた「飼えなくなった犬ねこの引き取り窓口」を動物愛護センター一か所に集約し、殺処分数をさらに減らそうとする取り組みについて報告がありました。

その後、公的施設が入居する形で再整備することとなった黒崎コムシティの中に入る予定の(仮称)くろさきユースステーションの機能などについて、先日の参考施設の視察を踏まえて委員同士で議論しあいました。(市議会では所管する事項の調査として、議員同士が自由に論議しあう機会を設けています。この間の議会改革の成果のひとつです。) 

さて「くろさきユースステーション」は、中高生などを念頭に、「若者が自己を発見し、社会性や自立性を身につける」場所として整備する予定です。多目的ホールやキッチンダイニング、学習室やセミナールームなどを備え、若者たちが自主運営も視野に入ながら楽しく交流し、遊び・学び・体験することが期待されています。

ただ、同施設のコンセプトには、不登校や不良行為、ニートや引きこもりなど、困難を抱える若者のサポートも掲げていることから、これから更にあるべき機能の整理が必要だとの印象を持ちました。 

困難をかかえる若者の相談を受け、一人一人に寄り添いながら支援を続けていく拠点としては、戸畑区のウェル戸畑内に設置された子ども若者応援センター「エール」がすでに活動し成果を上げ始めています。

北橋市長の公約に基づいて、新設された子ども家庭局に教育委員会から移行した青少年課が手掛ける伴走型支援の拠点施設です。

そこでは多様な関係機関が参加する支援協議会が設置され、毎月一回の実務者会議が行われて若者たちを連携してサポートしていきます。

同センターによれば、平成22年10月の開設以来、一年半で電話相談が3172件、来所相談は318人でした。

その大半は仕事がしたいという相談ですが、彼らはひきこもりであったり、やっと社会参加が可能な自立度が低い若者たち。この一人一人の状況に応じた支援プログラムをたてて支援していくことになります。

引きこもりがちだった27歳のある男性は、体験プログラムに参加しながら自信をつけ、アルバイトで仕事をできるようになりました。

継続して支援することになった170人のうち、正社員やアルバイト・就学など進路が決定したのが70人。100人を継続支援中で、これを相談員3名コーディネーター1名の4人でこなすことになります。

引きこもりなど困難をかかえた若者は市内だけでも推計で   名の上るとされており、相談が増えれば、このスタッフではとうていやっていけないことは目に見えています。人的拡充と合わせ、相談室の充実など、将来展望を踏まえた取り組みが求められます。(写真はYELLスタッフの皆さん。電話093-882-0188)


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