昨日、島田紳助氏が突然の芸能界引退を発表したことが大きな話題となっています。きっと彼は才能のある芸能人であったのでしょうが、しかし、メディアに登場する人々が、口々に「お世話になった」とか「すばらしい人で残念だ」「引退するほどのことか」など、引退を惜しむかのような発言をしていたのには違和感をもちました。
事実は、自分がかかえたトラブルを暴力団幹部に頼んで解決してもらった上で黒い交際が続いていたということなのに、厳しく指弾する声が少ないのは何故なのでしょう。
福岡県や北九州市では、暴力団排除条例を制定。市民等は「紛争の解決等のため暴力団員の利用」などをしてはならないと規定しています。暴力団への利益供与は厳しく罰せられ、親密な親交者は公表、事業者であれば公共事業から排除されることにもなります。
善良な国民市民が、暴力団によって不当に暮らしを脅かされることがないようにと全国で懸命な取り組みが進められている中で、公共性の強いテレビメディアがこうした「黒い交際」を軽微なものとしてしまうのでは、その見識と責任が問われようというものです。(特に自民党の丸山参議院などは、弁護士であるにも関わらず『こんなことで引退する必要はない』などと語っているのにはあきれます。)
この事態は、大阪芸能界と暴力団との親和性の強さが改めて表面化したものであり、橋下府知事も「大阪市解体」などという荒唐無稽な取り組みに血道を上げるよりも、この四月に施行されたばかりの大阪府暴力団排除条例の趣旨にのっとって、毅然とした取り組みを進めることの方がはるかに重要なのではないかと思いますね。
また、島田紳助氏のようなテレビメディアの寵児を作り出し、次々にお笑い芸人を登場させてテレビ番組を席巻させ、その安易な番組づくりが視聴者の顰蹙をかっていることを、テレビメディア関係者は自覚して、この際、大いに反省してほしいものだと思っています。