かつて海港都市・門司の三井物産門司支店の迎賓施設として建てられた国指定重要文化財「旧門司三井倶楽部」。
約2年間の耐震補強・保存修理工事を終えて、4月からリニューアルオープンするのを前に、3月25日に記念セミナーが行われましたので私も参加しました。
同倶楽部は、100年前の1922年にアインシュタイン博士が来日された際、ご夫妻で宿泊されたことでも知られていますが、このほど、来日時に博士が毛筆でサインされた直筆の扁額の存在が確認され、持ち主の方から北九州市に寄託されることになりました。そこでこの日、その扁額が初めて公開されました。
式典後の記念セミナーでは、北九州市立いのちのたび博物館の日比野利信歴史課長が「門
司港の発展と旧門司三井倶楽部の歴史」と題して講演され、明治以降、石炭の積み出しや大陸との往来などで発展を遂げた門司港の発展過程や三井物産の推移などについて解説されました。
日比野課長は「旧三井倶楽部は、もともと少し離れた谷町にあったのが移設されました。それにより、同社の三代目店舗であった現在のJR九州本社ビルと、この旧門司三井倶楽部が向かいあうことになりました。
旧三井倶楽部は松田昌平さんの設計、JR九州本社ビルは弟の松田軍平さんの設計で、奇しくも松田兄弟が設計した建築が向かい合う姿になりました。」と述べ、二つの建築物と、修復なったJR門司港駅などと併せ、門司港レトロ地区建築物の新たな魅力について強調されていました。
この日は、門司港駅前広場やレトロ中央広場などでも吹奏楽やパフォーマンスなど多くのイベントが行われ、沢山の家族連れなどでにぎわいを見せていました。
来月から公開されるこの旧門司三井倶楽部には、2階のアインシュタインメモリアルルームをはじめ、門司ゆかりの作家・林芙美子の資料室も設置されています。
皆様も、ぜひお出かけになってみて下さい。