「第二波の真っただ中」と市長。26人の新規感染者確認

北九州市では新型コロナウイルス感染症で4月の第一波が落ち着いて、その後23日間も新たな感染者が確認されなかったのち、5月23日から連続して感染者が増え続けて、29日にはついにこれまで最多の一日で26人もの感染者が確認される事態となりました。
28日午後9時頃に、テレビのニュース速報で全国最多「北九州市、21人の感染者」と報じられたのに続いて、この日も、東京の22人を上回り、連続して全国最多を更新してしまいました。

29日には市議会代表者会議と市の対策本部が開催されて、一旦開館していた公共施設の再休館や学校での午前中授業のみの実施など、週明け6月からの対応方針を決定しました。
北橋市長は午後の記者会見で「私たちは新型コロナウイルス感染症第二波の真っただ中にある。」とし、「なんとか短期決戦で封じ込めたい」と危機感を露わにしました。

新型コロナウイルス感染症の第二波の到来には、私も正直大変驚きました。この事態を、我々はどうとらえたらいいのでしょう。

そこで、今回の感染状況を見て、第一波と違っていると私が感じる特徴的な点は、
まず第一に、第二波の当初に、感染経路のわからない新規感染者が、地域や年代を問わず、同時多発的に発生していることです。
それぞれのつながりや共通の原因などが見えないことは、感染者ゼロが23日間も続いたのに、その間にも市中には感染者が一定数あって、感染を広げて「市中感染」となっていると見られます。
今後も一定数の新たな感染が確認される可能性があり、医療崩壊を避けながら的確な対応が求められます。また、国のクラスター対策班や国立感染症研究所などの支援を受けた調査が進められており、分析が進むことに期待したいものです。

第二には、救急搬送に伴う院内感染などにより、複数のクラスターが発生していることです。第一波の病院でのクラスター発生も、新型コロナを想定していない救急搬送から院内感染につながりました。
病院や高齢者施設で相当の防御態勢をとっているものの、なおクラスターが発生していることは、残念ですし、さらに細心の注意が必要であることを示しています。
また感染経路は追えるとは言うものの、クラスターが多発することは、入院が必要な患者さんの数を押し上げ、医療体制を圧迫していきますので要注意です。

第三には、PCR検査対象の拡大です。

PCRセンター開設デモの様子

ドライブスルーのPCR検査センターの稼働をはじめ検査体制・医療体制が拡充されてきたことに伴って、第一波時には実施していなかった濃厚接触者・健康観察者の全員のPCR検査の実施がなされるようになりました。これにより、無症状の陽性者が多く確認され始め、感染者数を押し上げる結果となっています。他の地域でも、こうしたPCR検査の拡大がなされれば同様の傾向を示すものと思われます。
クラスターを迅速に封じ込め、感染の連鎖を止めるためには、PCR検査の充実は有効であり、今後も可能な限りの検査実施に期待したいと思います。

まだ先は見えないものの、今後、感染経路不明の新規感染者数が落ち着きを見せてくれれば、現状の北九州市の検査・医療体制で十分対応は可能ですし、必要であれば福岡県全体での対応を視野に入れることもできることは大変心強いことだと感じています。
感染の第二波を必要以上に、恐れることなく、現状を冷静に見るとともに、一人一人の行動に気を付けながら、市民の的確な対応で、新型コロナウイルスを何とか封じ込めていきたいものです。

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