障害を持つ当事者が「自己選択・自己決定」を原則に、自立して生きる事の出来る社会をめざす拠点として北九州で活躍してきた「北九州自立生活センター」(林芳江代表)の設立10周年記念イベントが開かれ、ご案内をいただきましたので喜んで出かけました。
イベントでは、同センターに設立当初から参加してきた岩井菜穂美さんが「北九州自立生活センターの活動を振り返って-この10年でトライしたこと」と題する基調報告をされました。
まだスロープバスが走り始めて間もないころ、障害者はダイヤの変更などでバスに乗れないこともあることなどをアピール。「私もお客だ!大作戦」プロジェクトを決行、交通事業者や行政とも積極的な交渉を展開し、今では鉄道・バス事業者とも彼らを無視してはバリアフリー事業を進められない重要な存在となりました。
今日のシンポジウムはバリアフリー社会の実践がテーマでしたが、パネリストにJRの方や道路を担当する行政マンが参加していたのがそのことを証明しているようでしたね。
同センターはまたハードソフト面からバリアフリーを進めるために、障害当事者の声を集めたビデオを作成、市内公民館での啓発事業を展開。アメリカからジュディ・ヒューマンさんを迎えて「日米障害者自立生活セミナー」を開催された時には私も参加させていただき大いに勉強させていただきました。
その後も「ヘルパーステーションあいえる」を開設して、当初から実施してきた障害当事者の自立支援のための相談・プログラム(ピア・カウンセリング)に加えて、自立生活を介護の面から具体的に支援する事業も開始されました。
私は確か同センターが大門に拠点を設けた数年後ぐらいから皆さんとおつきあいさせていただいたかと思いますが、その活動はめざましく、彼らは間違いなくバリアフリー社会草創期の北九州市の福祉界をリードしてきたメンバーだと思います。
活動をお見受けしていて、同センターの皆さんは、とにかくタフなんですね。疲れているはずなのに、忙しい日程を疲れを知らないかのように元気に明るくこなしていくのです。
岩井さんは基調報告を終える際「私がこうしてあるのもこのセンターがあったから。自分らしい生き方をしようとがんばってきたセンターも10歳のお誕生日を迎えました。自立支援法も通ってしまったけれど、私たちが生きたいと思う生き方をめざしてセンターはこれからもがんばりたい。」としめくくりました。彼らはきっとこれからも元気にいろいろな試みを続けて、本市障害福祉界の貢献し続けることでしょう。
残念ながら、シンポ後の記念パーティには参加できませんでしたが、同センターの皆さんの益々のご活躍を念じながら会場を後にしました。
(写真は基調報告する岩井さん)