お盆をすぎたというのに今日も暑い日でした。小倉北区の無認可保育施設の園児が車に取り残されて死亡した先月27日は、今日よりももっと暑かったのでした。
市議会常任委員会で私たちが要求していたこの事故の「事故報告書」届きました。詳細はこれから検討したいと思いますが、ざっと目を通しただけでもこの施設の運営には次々に疑問がわいてきます。
何よりも、責任者が預かっていた2歳児が死亡した重大さをどこまで感じているのか不明な点です。報告書では「保護者への対応」として「通報後すぐに連絡、葬儀費用支払い、賠償に関しては相談中」としか書いてありません。また「今後の対応」の欄では「何が原因かを把握し、抜けている部分、常識的な部分をマニュアル化し、徹底させることと、現保護者様へのご理解をいただけるよう努力いたします」とありました。別の欄には「早く再開して欲しいという希望が多数あり、できることがあれば言ってほしいいう方までいらっしゃいます」とも書かれており「事故は起きてしまったけれど、やり方を工夫してすぐにでも再開したい」という責任者の意向が感じられるのです。
未来ある子どもの命が奪われてしまった今回の事故はそんなに簡単なものじゃない。問題の究明を怠り、簡単に再開させてしまったら、再び同様の事故が起きることになるでしょう。徹底的な原因究明が厳しく求められますし、責任も明らかにした上のことでなければならないと思います。
この施設の職員体制も疑問です。有資格者(保育士だと思われますが、登録保育士だったのでしょうか?)が3人、これ自体、認可保育園より貧弱なのに、出社(!)した5名の職員のうち2人が「営業」などに出て行っています。職員さんが一体何の営業に行くのか? 園長も「別事業もあるため不在が多い」とあり、責任ある職員体制がとれていなかったのではないか。
また車でピストンしてまで1歳児も含む(と思われる)子どもたちを、なぜ炎天下の日明公園に食事を持って長時間の園外保育に出しているのか。園庭のないこの施設では、日常的に子どもたちを外に連れ出していたのではないか。傷むことを考えると食事は施設で取った方が良いと思われるのに、なぜ、どんな食事を持っていったのか?
午後1時30分頃までに施設に戻ってきた子どもたちがお昼寝を始めており、その時点での「人数確認はなかった」とあるが、汗を拭いたり、顔を洗ったりしてパジャマなどに着替えているはずなのに、人数確認ができないというのは考えにくい。一体、どのような状況だったのか。(死亡した暖人ちゃんがいないのに連絡帳には「お昼寝」記入していたと報道されています。)
次々に浮かぶ疑問については、これからも検証していきたいと思いますが、要は無認可保育施設ではこれほどずさんで危険な事態が起きていても、何ら表面には出ないということです。児童福祉施設最低基準をクリアーしている認可保育園では、もともとこういう危険なことが起きる可能性が極めて低いのですが、さらに園内の教育や研修、さらには定期監査や第三者評価などで事細かくチェックが行われています。(子どもの健康や命がかかっているのですから当然ですね。)
最低基準を満たしていない無認可施設に対する指導監督基準すら満たしていなくても(事故を起こした施設は満たしていませんでした。)こうした施設の開設が可能なのです。いわば野放し状態の無認可保育施設の危険性を放置してはならないと私は思います。
写真は、日明西公園です。ほとんど日陰もない炎天下の公園に21人の子どもたちが長時間、園外保育にきていました。これだけでも危険なことだったと思われます。