憲法記念日に民主党「憲法提言」を読む

憲法施行から59年目の憲法記念日です。各地で護憲派改憲派それぞれの集会などが今年も開かれたようです。
そこで昨年10月にまとめられた民主党の「憲法提言」を読んでみました。昨年、民主党の前原誠司前代表が「中国は現実的脅威だ」と述べて批判を受けたとき、私は「誤解をされない発言をして欲しい」とこの欄で述べました。(昨年12月13日のブログをご参照下さい)
その際「個人的に言わせていただければ、前原さんの安保防衛問題(憲法問題も)については、自衛隊を含む軍の暴走を防ぐための手だて(シビリアンコントロール)についての言及が少なすぎる。まずは戦争をさせない、海外でのPKF発動時でも軍事的展開を厳しく抑制することについて、国民に分かりやすい仕組みを提案する必要があると感じています。
われわれが戦争抑止勢力であることが明確に意識されてこそ、軍事力たる自衛隊の認知や海外での軍事的行動の容認についての議論が正しくなされるのではないか」とも書きました。

じつは民主党の「憲法提言」はこの点を正しくまとめています。「国民主権」「環境権など新しい権利」「環境国家と平和創造国家」「分権国家」「共同体的価値意識の形成」などを国家目標とし、特に安全保障に関しては「制約された自衛権」「国連の集団安全保障の位置づけ」「シビリアンコントロール」などの考え方を明確にし、武力の行使についても最大限抑制的であることとしている点は、おおかたの国民の合意を得ることができる可能性を持っていると思われます。私は良くできていると思っています。 今後大いに国民的な論議をしていって欲しいものです。

ちなみに前原発言はこの憲法提言をふまえた発言には思えなかった点において、党内からの不信も呼び起こしてしまった。メール問題と併せて政治的未熟さが露呈してしまったのだと言えるでしょう。返す返すも残念なことでした。能力のある方だとお見受けしていますので、是非今後、勉強と経験を重ねて信頼できる政治家として育っていただきたいものです。
民主党の「憲法提言」はホームページからダウンロードして読むことができます。

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