生きることを考える映画「風のダドゥ」

北九州市で車いすバスケットボールに取り組む少年を主人公にした映画「ウイニング・パス」を監督して話題を呼んだ中田新一監督の新作「風のダドゥ」の試写会が午後7時から行われ、お招きをいただきましたので出かけて見てきました。

リストカットを繰り返す少女が阿蘇山中で助けられ、阿蘇ふれあい牧場で暮らすことになります。教え子の自殺から職をすてた元高校教師、失語症の少年など牧場で暮らす人々や元競走馬ジョニーとの交流を通じて、少女は次第に心を開いていくという物語です。 阿蘇の大自然とホースセラピーをモチーフとした映画ですが、試写会で挨拶にたった中田監督は「特別なドラマがある訳ではありませんが、生きることの意味を感じてもらえると良い」と述べておられました。

「ダドゥ」とは、草を食べた馬の腸が動く音のことだそうで、風に似ており馬の「生の証」として、映画で象徴的に使われています。ジョニー役の馬のオーナーは、ゼンリン前最高顧問の故大迫忍さんなのだそうです。

とにかく阿蘇の大自然が美しく撮られていますね。これを観るだけでも心和みそうでした。リストカットや自分らしい生き方、子どもたちと家族の関係など、生きることを考えることのできる映画だと思いました。

ただ難を言えば私は、ストーリーのわざとらしさがどうしても引っかかってしまいました。たとえば、主人公がリストカットをしようとした時、ジョニーが手からナイフをはたき落とす場面。尊大なIT社長をジョニーが振り落とす場面。主人公が自殺しようとするのを必死に止める少年の失語症が突然治って言葉を発する場面などです。

「まあ、こんなものさ」と気にかけずに楽しく観れば良いのかもしれません。あなたはどうご覧になるでしょう。
この映画は6月9日から、チャチャタウンで北九州独占上映となるそうです。おでかけになってはいかがでしょうか。

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