昨日の読売新聞地方版の「選択・北九州市長選」(中)という記事を読んで驚きました。
市長選に挑戦する北橋健治さんが10月に発表した政策大綱の特徴的内容が、11月末に発表されたライバルの予定候補の政策に「意図的に追従された」状態であるのはご報告したとおりですね。(12月1日の記事をご参照下さい。)
ところが今度の読売新聞の記事では、市の企画政策室が「北橋氏の政策大綱55項目を末吉興一市長の市ルネッサンス構想まちづくり推進計画2010と比較検討したところ『市がすでに着手している政策が41項目』という結果がでた。」というのです。まるで北橋さんの政策大綱のほとんどがすでに市が着手済みの2010計画の引き写しであるかのような記事となっています。冗談言っちゃいけない!
そもそも55項目のタイトル自体は政策ではなくて項目です。たとえば「確かな学力と体力を身につける学校教育」という項目で言えば、これをめざしていない政策なんてないでしょう。これが一致するんだと言えば、何でも「着手、実施済み」ということになります。
実際には、この項目で北橋健治さんは実質的30人学級を実施することとしているのですが、これはこれまでの市政で頑なに実施を拒み続けてきたことであまりにも有名な?施策なのです。市は着手なんかしてこなかったし、2010計画でも考えてもいない項目です。
「少年非行を減らす事業の実施」でもそう。北橋さんの政策大綱で具体的にうたっている中卒ニート対策についてみても、市は着手も実施するつもりもないことは、この3月の市議会での私の議論で証明済みのもの。
「地域全体で乳幼児期の子育て支援事業」にしても、政策大綱で構想しているのは「乳児を持つ親子が気軽にやってくることができる常設のたまり場」であって、厚生労働省が主導している「つどいの広場」事業を地域で実施しようというものですが、この事業、全国では実施されているものの、北九州市では実施されていない事業であることは、担当の児童家庭課にお聞きになってみればすぐにわかることです。
結局、すべてがこの調子で「着手、実施済み」にされてしまった。この調子でいけば、ライバル候補の政策でも100項目を超えるその項目のすべてが「着手、実施済み」になってしまうことでしょうね。
でも、今回の発表(市は発表していないと強弁)は北橋健治さんの分だけ。何故?ライバル候補分は「現在、作業中」なのだとか。これはおかしいですね。本来なら、それぞれの作業を終えてから一緒に出すべきでしょう。
第一、内容の具体的検討もせず、タイトルと一致させる作業だけをして、マスコミに一方的に流すこと自体、意図的な作為を感じないわけにはいきません。一体誰が指示してこうした作業に入り、誰が指示して公表したのでしょう。皆さん、とてもおかしいことだとお思いになりませんか?