昨年でしたか、NHKテレビで「ターシャ・テューダー 四季の庭」という番組をみました。90歳になる絵本作家ターシャ・テューダーの自宅で、四季をつうじた美しい庭と、自然に寄り添いながら暮らすアメリカの19世紀的ライフスタイルを描き出した興味深い番組でした。
ほとんど近代的道具を取り入れず、季節の変化を受け入れ、それを楽しみながら心豊かに暮らすテューダーの姿は「昔の良き時代のアメリカは、きっとこんな暮らしだったんだろうなあ」と感動しました。
そのテューダーさんの周りには、ちょっと太ったコーギー犬がおり、映像に良い味をだしていました。
この絵本は、そのコーギー犬たちが主人公。(テューダーさんはコーギー犬がすきなんでしょうね。)
舞台は、コーギー犬と猫やウサギなどが暮らす良き時代のアメリカの小さな村。村人の一番の楽しみである村まつりではヤギのレースも行われ、コーギー犬のケイレブはぜひ優勝したいと準備に余念がありません。そこへ、猫のトムキャットの悪巧みが・・。レースの行方はいったいどうなるのでしょう。
盛り上がる村まつりと楽しそうな村人たち(動物たちですが)の様子が、細かく丁寧に描き出されています。
おそらく現代アメリカではとっくになくなってしまっただろうかつての村まつりは、このような喜びに満ちあふれた楽しいものだったにちがいありません。
古き良き時代のアメリカを体現しているターシャ・テューダーらしい絵本だと言うことが出来るでしょう。
訳はテューダーの絵本の翻訳を多く手がけている飯野雅子さん。メディアファクトリー刊