若い世代から高齢世代へ感染が拡大ー新型コロナウイルス感染症の現状 北九州市議会保健福祉委員会 

北九州市議会では8月19日に、私の所属する保健福祉委員会が開かれ、市保健福祉局から ①新型コロナウイルス感染症の対応状況について、②北九州市人権行政指針第二次改訂版に対するパブリックコメント、③市立北方ひまわり学園の社会福祉法人北九州歩みの会への譲渡、について報告が行われました。

保健福祉委員会の模様

また午後からは、喫煙者ゼロ企業を目指して成果を上げている「岡本土木㈱」さんと、社有の研修施設を活用して、シニア世代の交流や生きがいづくり等、地域に貢献されている㈱サンレーさんを、それぞれ現地にお訪ねして取り組み内容のご説明をいただきました。

このうち新型コロナウイルス感染症対策の現状については、7月の下旬から感染者が急増した「第三波」では、当初は20歳代30歳代の若い人が多かったものが、8月前半では60歳代70歳代が最多となっていること、また、感染経路を見ても、若い世代では「初発・孤発」が多いのに対して、高齢社では「濃厚接触者」としての感染が多くなっていることが報告され、北九州市においても、若い世代から高齢者に感染が移行し拡大している現状が報告されました。
自分が気づかないうちに感染者とならないために若い世代への感染拡大防止意識の徹底と、マスクや手洗い、不要不急の外出自粛など高齢者への感染予防対策の強化を、さらに呼びかけていくことが求められています。

この点で私は、多数のクラスター発生源となったいわゆる「昼カラオケ店」に対して、各区役所から個別店舗に対して具体的な感染予防の徹底の要請行動が、8月17日から開始されたことに敬意を表した上で、高齢者施設でのクラスター発生は重症化へのリスクも高いことから、特に同じグループで複数のクラスターの発生があった場合などには、より強力な指導を実施して感染防止を徹底するよう要望しました。

また、保健福祉局の報告では、8月17日現在で、医療機関への入院は77人、宿泊施設入所が16人となっているほか、重症者が11人と過去最大数となっている点などについて、私からは「病床のひっ迫の度合いが強まっており、秋冬も見据えると、福岡県に働きかけて、病床数の具体的な目標を掲げて確保を急ぐ必要があるのではないか。正直、県の対応には、じれったい思いがしている。」と対応を質しました。
保健福祉当局から「現状はご指摘のとおりであり、県との連携のもと、できるだけ急いで対応するつもりである」と答弁があったほか、永富保健福祉局長も「病床に確保については、事務レベルだけでなく市長からも県知事に要請などしている。市としても協力医療機関病院長会議などで対応を要請している。秋冬に向けて準備していきたい」との態度表明もありました。

本市がこれまで経験した3回の感染者数の波では、今回の「第三の波」が一番大きく、当初用意した(重症病床を含めて)病床数が、ほぼ埋まる状況となりました。
ここ1週間では感染状況も落ち着きを見せており、この波は何とか乗り越えることができるものと判断しますが「秋冬の時期の本格的感染拡大」が、もしも実際に到来したら、現状では、医療的対応は極めて困難であると言わざるを得ません。
秋冬への準備のあり方について、今後も議論を続けてきたいと考えています。

岡本土木㈱さんなど、地元企業による健康増進にむけた興味深い取り組み等については、また稿を改めてご紹介できる機会を待ちたいと思います。

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