北九州空港3題-「延伸」・「貨物」・「連携」

機能の拡充が期待されている北九州空港について、3つのニュースに注目しました。

一つ目は、懸案だった北九州空港滑走路の500メートル延伸について、国土交通省が令和5年度にも事業化する方針を発表したこと。
今後「交通政策審議会航空分科会事業評価小委員会」の意見を聞いたうえで、新規事業採択時評価で認められれば、新年度予算額が決定し、滑走路延伸工事の着工・実現に大きく前進することになります。
総事業費は約130億円。令和9年度中にも供用開始を予定しているとのことです。
24時間運用できる北九州空港の滑走路が延伸されて3000メートル化が実現すれば、北米やヨーロッパなどを結ぶ大型貨物輸送機の就航も可能となるなど、航空貨物物流機能が大きく充実することになります。
一日も早い着工と安全な工事の完了を望みたいと思います。

二つ目は、今月20日に世界最大級のアメリカ大手の運送会社UPS社が、北九州空港に国際貨物定期便を就航させたこと。
同社の日本法人UPSJAPANの西原哲夫社長は「九州には半導体関連産業が立地しており、市場の伸びが期待できること、24時間離発着できる北九州空港が魅力的であること」などを就航の理由として掲げられたそうです。(『西日本新聞』インタビュー記事2023年2月28日付)
UPS社は世界220以上の国・地域で、社員50万人を擁し、100年以上の歴史をもつ世界有数の運送会社。同社が成田・関空に続いて北九州空港に国際貨物定期便を就航させたことで、滑走路の延伸実現を視野に入れ、北九州空港の国際航空貨物物流の拠点空港として発展の可能性がさらに広がって行くものと期待されます。

三つめは、北九州マラソン開催当日の19日、羽田から福岡空港に向かったJAL331便が、福岡空港への着陸ができず、関空を経由して羽田へ引き返してしまったこと。
福岡空港では、不可抗力以外で午後10時以降の着陸を認めていませんが、午後8時過ぎに出発した同機は遅れによって間に合わなかったため不可抗力とはみなされず、着陸が不許可に。結局、引き返し、翌午前2時50分に羽田空港に到着したものです。
乗客の立場からは、福岡から引き返した時点で、近隣の24時間運用の北九州空港に降りることができれば、今回のような大きな遅れもなく福岡等の目的地にたどり着けたはずでした。
JALでは北九州空港への着陸も検討したそうですが、乗客335人を輸送するバス8~9台の手配ができずに断念したとのことでした。
当日は北九州マラソンの開催などもあって、特にバス乗務員の確保が困難だったとのことですが、北九州空港関係者や地元交通事業者と連携がとれていれば、バスやタクシー、ホテルなどが確保できたかもしれないと、大変残念に思いました。
私の問い合わせに、北九州市の港湾空港局の誘致集客担当者も「JALさんのご判断ではありましたが、もっと情報交換と連携が取れていれば、対応できたのかもしれません。
今後も同様の事態は起こり得るので、緊急なバス等の手配情報の交換など、関係者と連携して更なる受入体制を整備していきたいと思っています」とのご返事でした。
何よりも乗客の皆様のために、ぜひご努力をお願いしたところです。

タイトルとURLをコピーしました