櫓山荘公園が完成オープン!

小倉北区中井浜にある櫓山荘跡地は大正期の建築請負業・橋本豊次郎邸跡。アメリカで建築を学んだ豊次郎自ら設計し建築した和洋折衷3階建ての瀟洒な建物でした。
文化活動に熱心だった豊次郎の自宅櫓山荘は、大正から昭和にかけての商業都市小倉の文化サロンとして、作家や作曲家・歌手・舞踊家など多彩な人々が出入りしました。
俳句の巨人・高浜虚子を迎えた句会の日、暖炉に放った落椿を読んだ虚子の句に感動した豊次郎夫人の橋本多佳子は、参加していた天才女性俳人・杉田久女に俳句の手ほどきを受けることになります。

この櫓山荘跡地は、櫓山の名となった番所跡緑地と併せて市の所有となり公園とされました。その間、残っていた櫓山荘は市によって取り壊されてしまった他、公園も荒れ果てた寂しい状態で取り残されてきたという具合でした。
しかし、杉田久女や橋本多佳子の顕彰を進める俳句関係者の方々をはじめ北小倉自治会の皆さん、そして市長を先頭とした行政関係者のご努力で、この地が「櫓山荘公園」として生まれ変わることになりました。何回ものワークショップを経た基本計画がつくられ、平成16年度から1億5千万円3カ年をかけて整備がすすめられてきました。
そして今日、開園を迎えることになったのです。

櫓山荘跡地の公園整備を市議会で再三にわたって要望してきた私としても、嬉しくないはずがありません。 
今日の式典に参加していた同僚議員の皆さんから「おめでとう。新人の時から世良さんががんばってきたことが実ったね」など次々にお声をかけていただき、面はゆくも喜びに堪えませんでした。
これからは駐車場も整備され、吟行などにも大変便利な場所になると思われます。北小倉まちづくり協議会会長が「この公園を我々の財産とし楽しく有効に使っていきたい」と述べられたように、どのように活用していくかが課題だと思います。

かつて残っていた櫓山荘が取り壊されてしまった(橋本多佳子の四女・美代子さんも取り壊しをご存じなかったそうです。「できればステンドグラスなども残しておきたかった」と思われたそうです。)のは 返す返すも残念ではありますが、駐車場にはこれを説明する何らかの資料展示施設なども検討してはいかがでしょう。

式典の後、記念講演をされた中央図書館の轟良子さんは「ここで久女と多佳子が出会って日本の女性俳句の源流となった。句会の題・落椿にちなんで今日を椿の日としてはどうか」と提案されました。良いですね。
 今後の櫓山公園の整備と、久女・多佳子をはじめとする文化顕彰事業が発展できるよう願わずにはいられません。

そこで今日の日に感謝を込めて一句。「椿落つ旧楼の雨に情けあり」(ちょっと俳句らしくないか。失礼しました。)

写真は、雨の中テープカット(左からお二人目が橋本多佳子さん長女の美代子さん)
左は記念講演する轟良子さん。(相変わらず楽しいすばらしい講演でした。)

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