夏休みの子こどもたちはどこで遊んでいたことでしょう?
昔の小さい集落のまわりには田園があり、必ず神社と鎮守の森がありました。
夏休みになって子供たちが、網をもったりして出かけていくと、もうそこには同じ年齢の子供たちがやってきていて色々な遊びで時間を過ごすことが常でした。
もちろん何かの拍子にだあれもいない時もあります。
「あそぶともだちがだれもいない。みんな どこへいったのかな?」神社の境内に出かけたこの本の主人公のかんたくんは、しゃくだから大声でむちゃくちゃの歌を歌います。
すると木の穴から呼ぶ声が…。穴に落ちたかんたくんは3人のお化けたちと遊ぶことになりました。楽しく楽しくざんざん遊んでつかれた、かんたくんが「おかあさーん」と叫ぶとそこはもとの神社の境内。「ごはんよー」とおかあさんの声がきこえてきます。
私も含めて、昔の子供たちには誰にも思い当たる感覚があることでしょう。今の子供たちにとっては、どうなのでしょう?
実はこの絵本、保育園や幼稚園で読んであげると大変人気がある本の一つです。
文の作者は保育士の経験がある「おはなしくらぶ」主宰の長谷川摂子さん。読みながら子供たちが喜ぶポイントをおさえてあるのはさすがですね。
絵は、モーリス・センダックに出会って絵本の仕事をはじめたという降矢奈々さん。色彩感と迫力感ある絵に、子供たちは見入ります。
文と絵で子供たちを引きつけつづける、保育士さんや先生のおすすめの一冊。
■出版社:福音館書店