過労死続出の危険「ホワイトカラー・エグゼンプション」

厚生労働省の推計では、少子化の進行で2050年の労働力人口は4471万人と、現在の3分の2の水準まで落ち込み、労働力の減少を生産性向上だけで補うのは難しくなるとのことです。(時通信など)
こんな中で、労働時間を基準にしてではなく成果に応じて賃金を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の是非が話題になっています。厚生労働省は、今月下旬からの通常国会に労働基準法改正案などを提出し早期導入をしたいとしていますが、対象となる社員は「1日8時間・週40時間」の労働時間を超えても、残業代はいっさい支払われなくなくなる制度です。
働いても働いても所得がのびず苦しんでいる非正社員が全労働者の3分の1をこえたことで、企業は空前の利益を得てきた上に、今度は正社員になっても残業代も支払われないようになるというのです。サービス残業が正当化された現場では、過酷な労働が常態化し過労死が続出することになるでしょう。
もちろん法違反の過酷な労働は禁じると政府は言うでしょうが、日本社会であたりまえのごとくサービス残業が横行している労働現場をちょっとでもまともに見れば、とてもそんなことを真に受けるわけにはいきませんね。
すでに民主党は「日本版ホワイトカラー・エグゼンプションには反対だ」と態度を明確にしていますが、これ以上、勤労者の家庭を破壊し、家族を犠牲にすることを許してはならないと思います。
勤務形態を多様化するのなら、あのオランダが成功したように、まず同一労働同一賃金として待遇上の差別を撤廃してから実施するべきではないか。私たちの働き方を見直し、本当に幸せな労働を実現する社会とはどんな社会なのか、是非みんなで考え直したいものです。

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