昨日は東京で一泊。今日は、東京大学地震研究所をお訪ねして、広報アウトリーチ室助教の大木聖子先生にお話しをうかがうことができました。
先生は、3月11日の大震災をふまえて今年6月にNHK出版から「超巨大地震に迫る」という本を出版されています。
私はこれを読み、私たちこれから震災対策を進める視点を整理するためにも、ぜひお目にかかってお話をうかがいたいと思ったのでした。
快くお会いいただいたのですが、考えてみれば翌日は、関東大震災の発生にちなんだ「防災の日」。地震学関係の先生方が一番忙しい時期であったはずでした。後で大変恐縮してしまいました。
さて、先生には「今後の地震発生のリスクを、我々の地域としてどう考えたらいいのでしょう」「地域防災計画の見直しにあたって留意するべき点は」「群馬大・片田先生が、当市のアドバイザーについてくださっていることについて」などなど、次々にこちらからお聞きしながらご教示いただきました。
詳細はこれも別途報告とさせていただきますが、私が「北九州地域は、これまで地震が少ない地域で安全であるという認識をもっているのですが」とお聞きすると「そんな考えは直ちに捨ててください。私たちは、できるだけ惨事が起きてほしくないと思っているので、ついバイアスをかけてしまいがちです。でも地震学者で誰一人、絶対(強い地震が)起きないという人はいませんよ。」とたしなめられてしまいました。
その上で、文科省の「地震ハザードステーション」のサイトで詳細が見られるとおり、各地域でどのような地震の揺れのリスクがあるかを検討しながら「大きな地震はどこでも起きうる。」との認識で、地震防災を考える事が必要だとご指摘いただきました。
また、避難所として使う学校の耐震化は大変重要であり、まず積極的に推進するべきであること、地震防災という文化を身につけるにはやはり子どもたちへの教育が重要であることなど、様々な観点からのお話しをいただきました。
私も、それなりの勉強をしておうかがいしたつもりでしたが、津波防災を含めた、北九州市の震災対策のあり方についても、改めて基本から考え直さなければならないなと痛感しました。
伝統ある東大地震研を辞した後は、この日午後から、官製ワーキングプアをつくらない「公契約」のあり方などについて、専門家のお話をお聞きすることができました。
1泊2日の短い調査行動できしたが、課題の凝縮した意義ある2日間であったと感じています。今後も、極力こうした調査行動を計画したいと思います。