町内単位で行う盆踊りは、小倉でも次第に珍しくなってきました。そんな中で、わが西熊本町内会では毎年15日に盆踊りをするのが恒例です。
かつては、櫓を組んだり、3日間踊ったりしたそうですが、さすがに現在では15日限り、時間も夜9時過ぎまでとなりました。
私が参加し、知っている限りでも、かつて2日間踊りが続いていましたし、午後9時を過ぎてからが「本物の盆踊り」で、おもむろに村の長老たちが集まって「能行口説き」で踊り出すのでした。
「能行口説き」による踊りは、小倉の 旧企救郡を中心に分布している伝統的な盆踊りで、 口説き歌は今から176年前の天保6年(1835年)に現小倉南区の能行村で起こった「お千代と儀平の心中事件」の道行きを題材にしたものだと伝えられています。おそらくは悲恋の末、非業の死を遂げた二人の鎮魂と初盆供養が重なって拡がっていったものでしょう。
さて、わが村の長老たちは子どもの頃から「能行口説き」を踊ってきた方ばかり、上手な方のステップは華麗で優雅ですらあります。
今日は、夕方からあいにくの雨。そのため急遽、戸外から市民センターのホールに会場を移しての踊りとなりました。
初盆の方々のお名前を記した祭壇の前で、参加者の方々は様々な思いを込めて踊りました。町内で亡くなった方々への供養としての盆踊り。これからも続いて行ってほしいものです。