北九州市議会の第16次友好訪中団が、市の友好都市・大連市をはじめ北京市・上海市に派遣されることとなり、その副団長として超党派のメンバー、議員・事務局総勢10月26日から11月1日まで中国を訪問してきました。
訪問順序は、上海市から北京市そして大連市でしたが、北九州市との友好都市締結35周年を迎えた大連市への訪問は、私たちに強い印象を与えてくれましたので、まず大連市での模様からご報告します。
大連市で私たちは、大連市人民代表大会・陳利民副主任をはじめ要人の歓迎を受け、会談後、歓迎宴で迎えられました。
大連市人代・陳副主任は「大連市人民代表大会常務委員会を代表して、皆さんを熱烈歓迎する。大連市にとって北九州市は初の友好都市でもあり、この35年間に両市は深い友情と良き信頼関係を築いてきた。日本と中国の友好都市のモデルと言われている。人代と市議会の交流も盛んであり、かつて私も北九州市議会を訪問したこともある。この機をかりて、友好交流へ支持をし続けてくれた市議会に感謝の意を表したい。
大連市は東北地方のゲートウェイであり、工業都市であり港湾都市でもある。進出した日本企業は4200件以上、 在住日本人も5000人以上である。中国東北地方・遼寧省地域の中心として、都市の国際化のレベルも迅速に向上している。また石油産業、老人福祉産業など、新しい産業にも力を入れている
中日関係は、まだ厳しいが、この時期だからこそ地域間交流を深める必要があり、これまでの基礎の上にさらなる実務的な交流を深めていけることを期待しており、市議会のご支援をお願いしたい。
また私は、貴市を訪問した際、北九州市が鉄鋼産業等による環境問題を解決し、世界でも有名な環境都市となったことに感心した。大連市も環境保護の取り組みを進めており、この面でもさらに支援してほしい。幅広い交流がさらに進むことに期待したい。」など、35年間の交流による両市の深い絆を感じさせるご挨拶でした。
両市の強い絆については、先に北京市で会談した木寺昌人駐中国全権大使や自治体国際化協会(クレア)寺崎所長からも言及され、特に寺崎所長は両市の関係は「誠に麗しい」ものだと高い評価をされていました。
さらに、大連市人代表敬の翌日の昼食時に会食させていただいた日本総領事館大連事務所の本部浩司領事からは、大連人代との会談・宴会会場が「大連賓館」(日本統治下の旧大和ホテル)であったこことに「大和ホテルのあの奥の広間でしたか、さすがに北九州市議会、大連市の扱いはすごいですね」と感心されましたし、「大連市の要人と面会しようにも会うのが困難なのに大連市北九州事務所の方は簡単に会える。うらやましい。35年の交流によるものだ」と高く評価されました。
また、同じく大連駐在の山口銀行宇野宏支店長も「大連市と北九州市の関係は特別だ。商工会議所の会頭も理事長も難しいのに北九州市大連事務所の田代所長はフリーパスで入れる。ぜひ今後ともこの関係を活かしてほしい。」と述べておられました。
その北九州市大連事務所(田代昇三所長)も、開設されてからすでに23年。北九州市と大連市の経済・文化等幅広い交流の拠点として活動を続けています。
同事務所の田代所長には私たちの滞在中、大変お世話になりましたし、そのスケジュールを進める都度、田代所長・益野裕至副所長をはじめ同事務所のスタッフが地元から信頼されながら活躍する姿を目にすることができ、大変誇らしい思いをしました。
田代所長は北九州市の地元企業に対して「今の時期だからこそ、駐大連北九州市事務所を活用してビジネスチャンスを広げてほしいと思います。どんなことでも、まずは相談して下さい。待っています!」と呼びかけています。
大連市には3泊し、セガミ薬局などを傘下に置く日本のドラッグストアチェーンの合弁会社による「日本商品専門のドラッグストア」の見学や、開発区にあるTOTO大連工場を視察、北九州市大連事務所なども訪問したほか、町並みや人々の生活する姿を見つめることができました。中国に進出した日本企業の姿やビジネスモデルの変容などについて、次回でご報告したいと思います。