岐阜県御嶽山の突然の噴火による災害は、凄惨なものとなってしまいました。犠牲者のご冥福をお祈りしつつ、一刻も早い全ての被災者の救出と全快をお祈りするものです。
それにしても、活火山だとはいえ、これほど突然に噴火し、多くの犠牲者を伴う災害となるとは想像もできませんでした。想定外への対応が「減災」の基本だとしても、今回のような災害はどうやって防げばよいのだろうと全く困惑してしまいます。
岐阜県では御嶽山での火山災害に備えて「御嶽山火山防災マップ」を作成していました。
それには「近い将来噴火したときに噴火の性質や規模、災害予想区域などについてまとめたものでありこれらの内容を多くの皆さんに理解していただくことで、噴火が起きた場合の被害をできるだけ小さくすることを目的」とし、「この防災マップを参考に、噴火が起こっても急に慌てることがないよう、日頃から防災の備えをしておきましょう。」と書かれています。(平成20年度版となっています。)
その上で「いざという時の情報の流れ」として「火山活動に何か異常があれば、左図のように気象庁から関係機関やマスコミを通じてみなさんの元に情報がもたらされます。いざというときには市の防災行政無線や情報を持つ施設管理者の指示のもと落ち着いて行動してください。」とも書かれています。
しかし今回は、気象庁による火山活動の異常に伴う噴火警戒レベルの引き上げなどの措置はとられていなかったようです。これでは登山者は、事前に危険を察知して対応することは極めて困難だったと思われます。
火山列島・日本での火山防災について、すでに噴火警戒レベルの引き上げの判断のあり方などで議論が交わされているようですが、関係有識者による研究の推進をはじめ、登山愛好家のみならず私たち国民自身でさらに議論を重ねていくことが求められていると言えるでしょう。暗澹とした気持ちで報道を見つめ続けています。(図は御嶽山ハザードマップの一部)