安倍自民党に任せられない訳(その2)

そして憲法。自分たちの時代錯誤の憲法改正案が通らないからと、改正発議要件を引き下げようというのは邪道です。

よく知られるようになりましたが、過去何回も憲法を改正しているドイツやアメリカの発議要件はともに「議会の三分の二」以上の賛成が必要です。基本は変えない硬性憲法が主流なのです。

変えたいのであれば、立場を超え大多数の国民の理解が得られるよう努力をするべきでしょう。

「自由・平和主義・基本的人権」など「人類普遍の原理」を謳ってきた現行憲法の内容を、自民党は「長い歴史・固有の文化・良き伝統」など「狭い理念」で置き換えようとしているのだと私には思えます。

そのことは政治を人類普遍の法原則に従わせる仕組みである「近代立憲主義」を放棄することになり、民主主義的国際社会からの孤立を招きかねません。

 

もう一つは地域主権。かつて小泉安倍政権期に、社会保障の急激な縮減と地方財源の大幅削減が行われて格差が拡大し社会不安が増大、地方財政はひっ迫し、危機的状況となりました。夕張市が財政破たんしたのもその頃でした。

今回、安倍政権はすでに地方の反対を押し切って地方交付税を強引に削減しました。地方公務員の人件費を引き下げる分だというのです。

北九州市でも、市税が減り地方交付税も減額されたため、財政状況は近年にない厳しさとなっています。

政府は、来年度も交付税を引き下げるのではないかとみられており、そうなれば全国の地歩自治体が困難に直面することになるでしょう。

さらに民主党政権期に、ひも付き補助金を制限して自由な地方財源とした一括交付金も廃止してしまいました。その一方で、国土強靭化計画と称して、国主導のひも付き公共事業を進めようというのです。

中央集権の「強い国家」が地方を支配する時代は終わったはずなのに、一体「地域主権」はどこへ行ってしまったのでしょうか。

選挙は国民の声を反映するもの。批判を押しつぶす絶対多数の政治は常に国民の不幸に行き着ます。「強権政治」を許さない気概をもって臨むことが、いま求められているのではないでしょうか。

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