今年度の病院局決算には重大な問題があります。それは、市立病院全体の収益が大きく落ち込んだため、昨年度の約6億円の黒字から一転して約7億円もの赤字となってしまったことです。資金剰余は約23億円ですので、この調子で推移すれば市立病院の経営は3年ともたない計算になります。
委員会では「職員さんや関係者をいじめるつもりは毛頭ない」と前置きした上で「なぜこれほどまでに落ち込むのか、原因は?対策は?」など、相当に厳しい議論を行いました。
最も大きな問題は、入院日数減に対応する効果的な病床利用ができなかった、つまり病床があいてしまったことによる料金収入の大幅減。それに経費や退職人件費の増で純損失が21億円にもふくれたことです。(ちなみに昨年の純損失は約9億円でした。)私の質問には、「診療報酬の影響」など外部的な不可抗力であるかのような当局答弁が続きましたが、私は納得していません。
しかし、病院局長は「この危機的状態を改善するため、現在、19年度から22年度を対象に経理の改善をめざす中期経営計画を策定中であり、近いうちに発表します」と述べましたので、これをまず精査することから改めて論議を進めたいと思っています。
いずれにしても、このままでは市立病院事業は重大な局面を迎えます。本会議でも議論した「周産期医療」をはじめ、今後の医療体制の充実など、経営が破綻したらはじめから成り立ちません。
いくら市立病院だからといっても「当初予算と比べて15億円も収入が減となりました。費用は増加しました。7億円の赤字が出ました。あとは何とかしてください。」というのでは、経営方針はどこにあったのかと言わざるを得ません。収支構造の急激な悪化の真の原因はどこか、そして改善の道(それも急激な)はあるのか、しっかりと探っていく必要があります。