7月22日に開かれた北九州市議会保健福祉委員会では、すでに本欄でご報告した本市の新型コロナウイルス感染症対策についてのほか、所管事務調査事項として、老朽化して移転改築が計画されている北九州市立児童文化科学館の検討状況についても報告がなされ審議されました。
この日は、6月17日の公募型プロポーザル審査委員会で「新科学館のプラネタリウム機器等設置業務委託候補者」の審査結果が報告されました。
つまり審査の結果、新しいプラネタリウムの設置と保守管理を担当する候補者として㈱五藤光学研究所が選定されたものです。
同社の提案では、新科学館のプラネタリウムでは「天文学習からエンターテインメントまで、星空、映像、空間が調和した世界最高峰のプラネタリウム」をスローガンに、20Kの風景動画と、高性能の光学式投影による星空を組みあわせたハイブリッドシステムと、視界を遮らない世界最小の投影機により北九州市の星空を映し出すほか、ステージやランウェイのあるバリアフリーのホールは、多目的な使用も可能だと報告され、委員会に出席した議員からは、期待の声も多く上がりました。
私からは、少し角度を変えて、今回、機種選定にあたって採用された公募型プロポーザル方式による業務委託契約のあり方について質問しました。
近年、本市でも採用されることが多くなってきた公募型プロポーザル方式による契約の実施については、本市には基本となるガイドラインや基準となるものがないため、担当部署ごとに審査要領を作成している現状があり、ここは改善の余地があるものと考えています。
今回の事例でも、事業者を選定する審査委員会の審査委員名や審査内容の概要について事後に報告・公開をする前提となっていないことなどが、委員会の私の質問で明確になりました。
他の議員からも、審査の内容報告を求める声があり、担当局の子ども家庭局では「審査結果について、どのような報告ができるか検討してみたい」として、今後一定の報告をする意向を示しました。
この方式では審査委員や応募者の提案内容を事前に公表することは、事の性質上困難であるのは理解できるものの、事後にも全く報告がなければ、議会や市民は、審査の結果や経過について、何ら知らされることのないまま契約相手先が決定されてしまうことになります。
また、審査委員の第三者性や利害関係などについても公正な審査が行われたのかなどの確認もできず、コンプライアンス上も課題が残ります。
この点は、他自治体の基準やガイドラインなどを参考に、今後、制度的改善を求めていくことにしたいと思っています。
新科学館のプラネタリウムは、今回決定した受託候補者との協議により、本年12月までに実施設計、令和4年3月までに設置されて、令和4年春の開館を待つことになります。