「なんとまあ」あきれてしまう国の施策

非常事態宣言が解除され、街にも人々が少しずつ戻り始めました。多くの方々はマスク姿です。スーパーや薬局などでは、不織布のサージカルマスクが売られ始め、手指の消毒用の薬剤も次第に手に入るようになってきました。
でも例の「アベノマスク」は一向に届きません。布マスクだというそれはテレビ等で見る限り、小さくて、空気の漏れを防ぐ鼻の所にあたる針金などの工夫もなさそうです。市販の布マスクでも、すでに多くはそうした工夫がしてあります。政府肝いりの策が、必要な時には全く役に立たないなんて、なんとまあ間が抜けた話でしょう。

一人一律10万円の定額給付金も、オンライン申請が早いとうたっていたのに、実態はオンラインという代物ではなくて、単なる電子申請ができるだけ。上がってきた申請を、市の職員が、間違いがないかどうかをアナログ的に確認して給付に進むというのです。これならFAXによる申請と何ら変わりません。書類申請よりも遅くなる可能性がある。
市の担当者に確認して、こうした事務処理が本当だと知った時には、とても信じられませんでした。これをオンラインとは言いませんね。
だったらマイナンバーカードの提示を必須としたのはなぜなのか、皆目見当がつきません。
すでに税金については「eタックス」として、マイナンバー(カードは不要)によりオンライン処理がなされており、多くの方が確定申告などに活用されています。事前に法律を改正し、給付金に限って、マイナンバーが活用できるようにすることで本当のオンライン化はできたのではないか。その準備ができないというならば「マイナンバーカードでオンライン」など、初めからうたうべきではありませんでした。地方の現場を混乱させるだけでした。

事業者を支援する持続化給付金は、地方自治体を通さず国へのオンライン申請のみですが、なかなかつながらない。手間がかかる。
雇用調整助成金にいたっては、もともと使えない制度と言われていたものを、必要に迫られて活用しようとしたものの、小出しの改善ばかりなので企業からの申請は少ないまま。
政府が優先供給するとした医療機関への消毒用エタノールでも「注文していないのに届いた。高すぎる。低濃度で使えない」などのトラブルが多発しているようです。(5月24日付西日本新聞)

今回の新型コロナウイルス感染症の蔓延という事態は、近年に、日本や世界が経験したことない未曽有の出来事であるとはいえ、国民的危機に対応する政府の施策が、これほど的を外れ、失策続きと批判される例を、私も見たことがありません。
安保外交問題に重点をおいてきたこの政権は、国家的国民的危機に迅速に対処できるはずの政権ではなかったのか、感染症蔓延という国民的健康危機には、一向に危機管理能力を発揮できずに、無力で右往左往し続けているように見えています。

タイトルとURLをコピーしました