「和解と恵みを」中村哲さんが講演

私の母校・西南学院が、今年めでたく創立100周年を迎え祈念式典や祝賀会が行われましたので参加しました。式典は福岡市国際会議場で、祝賀会は隣接するマリンメッセで何と4000人を超える同窓生などの参加で盛大に開催されました。

記念講演では、アフガニスタンで活動する医師・ベシャワール現地代表の中村哲さんが「天、共にあり」と題して講演。中村さんは、パキスタンでのハンセン病診療やアフガニスタンでの難民診療活動を通じて、医療よりも先にきれいな水と食料が不可欠だと気づき、干ばつ被災の農村復旧をめざした井戸や用水路を建設し、広大な土地の再緑化に成功。人々の生きる環境づくりに献身し続けている活動内容を報告しながら、アフガニスタンは地域ごとの集落が集まった国で、現代の日本などとは比較にならないと指摘し「ここでは戦争は何の役にも立たない」「米軍の空爆などが結局は罪もない人々を犠牲にしてしまう」「戦よりも食糧自給が大事だ」などと述べました。

中村さんは、自分が西南学院中学で学んだことは「和解と恵み」であり、こうした視点に立って「これからは人と人、人と自然が共存していく知恵が求められているのではないか」と講演を締めくくりました。

西南学院では創立100周年にあたって、今年4月1日「平和宣言」を発表しています。同学院が「イエス・キリストの福音に基づいて平和と人権を大切にする学校であるにもかかわらず、先のアジア太平洋戦争ではこれに加担」したことなど、学院の戦争責任・戦後責任を告白し「平和を実現する人々」として生きていこうとする決意の表明とされています。

中村哲さんの記念講演は、その活動が「平和を創り出す人」の姿そのものだとして、西南学院の100周年を記念するにふさわしいと考えられて実現したものです。


中村哲氏.jpg

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