再犯を防ぐ法律の改正点を研修

保護司を対象とした福岡保護観察所と保護司会などによる地域別研修会と、小倉北保護区保護司会の平成28年度総会が開かれましたので参加しました。

研修会では、平成25年6月に刑法や薬物法等が改正され今年6月までに施行されることになっている「刑の一部の執行猶予制度」がテーマ。

これは近年、犯罪者の再犯防止が重要な課題となっていることから、刑の一部の執行を猶予できる制度を導入するものです。

 

犯罪に対する刑の執行については、これまで現行法では実刑とするか、刑全体を執行猶予とするかの選択しかありませんでした。また仮釈放という制度はあるものの、短期刑では適用がむつかしいこと、また実際の運用では仮釈放の期間が短く、社会で処遇して更生を図るのには十分な効果が得られないという課題があったため、実刑と執行猶予の中間的な制度を設け、社会内処遇の強化によって再犯防止と社会復帰の促進を図ろうと関係法律の改正が行われることとなったものです。

対象者は、前に禁固刑以上に処せられたことがないもの(初入者等)、薬物使用等の罪を犯した初入者などとなっています。また、すでに欧米等、多くの国で実施されている保護観察中の社会奉仕活動の義務付けが可能となる法改正も行われました。

ただ、実施にあたっては、これまでより処遇が困難な者に対してより長期の保護観察を実施することとなりうるため、保護司への依存が適当なのかなどの運用上の多くの課題があると思われます。ただでさえ不足している保護司の増員や、専門性の向上をはじめ今後の制度の充実が求められます。

 

小倉北保護区保護司会の総会では、前年度の事業報告・会計報告、新年度の事業計画・予算案を前回一位で議決したほか、中村潤一会長など新役員を選出しました。

活動自体が、秘匿を要するなどデリケートな性質のため、市民の皆様にその活動が十分に認知されることの少ない保護司の活動ですが、世界に類例のないボランティアによる更生保護活動であり、地域の力で犯罪を防止し、犯罪者の更生を進める意義ある活動だと思います。

皆様のご協力をお願いいたします。パンフレットは、保護司活動の内容を伝える法務省の回覧板です。ご参照ください。


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