7月13日午後、北九州市議会の「北九州空港機能強化・利用促進特別委員会」が開かれ、このほど国の当初予算で調査費が計上された北九州空港の滑走路延伸にむけた今後の取り組みなどについて説明があり、それぞれ質疑応答となりました。
北九州空港の滑走路延伸については、現状を500メートル延長して、大型貨物機などが自由に発着できる3000メートル級とすることを、空港を管理運営している国に対して、私たちも長年要望を続けてきました。
福岡県などの協力も得て、市や経済界・議会など関係者が一丸となっての要望の甲斐あって、国の当初予算に調査費1億円が計上されたものです。
これにより長年の懸案であった北九州空港滑走路延伸の実現が、大きく前進することとなりました。
特別委員会では、私も含めて多くの議員から質問があり、市当局からは、今年度中に、まず滑走路延長計画案の策定と、これにもとづくB/C(費用対効果)の試算や、パブリックインボルブメント(関係団体や住民などの参加を得て計画策定過程への参画を促すもの)を行い、さらに環境アセスメントへ進む予定だ、などの説明がありました。
調査費1億円のうち、すでに計画案作成やB/Cに要する費用約5800万円が具体化されているとのことです。
ただ、滑走路延伸工事の着工までには、通常4年程度かかるとされる環境アセスメントや、隣接する航空自衛隊との空域調整など、なお多くの段階を踏むことが必要とされており、今後、これらに必要な要件を満たしながら時間短縮を図る工夫ができないか、さらに検討していくことにしています。
国土交通省参考人から空港経営改革の説明も
特別委員会ではこのほか、新型コロナウイルス感染症対策に伴う影響や、今後の空港運営形態の変更(滑走路等や空港ビルなどを民間委託し一体的に運営する、いわゆるコンセッション方式)を視野に入れた空港経営改革について、国土交通省参考人からの説明などが行われました。
このうち新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、旅客便の大幅落ち込みの一方、貨物便については、週2便の韓国仁川空港との貨物専用便の運航が効果を発揮して、取り扱量としては前年と比べても大きな落ち込みとなっていないことが報告されました。貨物便の発着拠点としての北九州空港の利便性が認識されることにつながってくれればと期待もされています。
また空港運営形態の変更については、そのメリット・デメリットや先行空港の状況、今後の課題などについて説明されました。
コンセッション方式による空港運営の民営化については、直近では福岡空港で採用され、昨年4月から開始されていますが、個別の取り組みがはじまってから運営開始までには、5年以上の期間を要しており、北九州空港で検討するとしても、今後、息の長い取り組みが求められます。
まずは解決すべき課題を整理しつつ、迅速に新型ロナウイルス感染症の影響からの復旧を果たし、滑走路延伸の取り組みを着実に進めて、北九州空港のポテンシャルをアピールしていくことが重要なのではないかと感じています。