杉田久女・橋本多佳子記念室がオープン

日本近代女性俳句の草分けである杉田久女と、久女の手ほどきを受けて活躍した橋本多佳子は、小倉北区にあった実業家・橋本豊次郎の別荘・櫓山荘で出会いました。

北九州市ゆかりのお二人の業績を偲ぶことのできるゆかりの品々、また櫓山荘の様子などを使えるジオラマや、当時のベンチや灯篭などを展示した「杉田久女・橋本多佳子記念室」が小倉城庭園内の一画にオープンし、16日午前、記念式典が開催されました。

世良俊明市議も、お招きいただき参加しました。

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以下は、世良俊明市議の報告です。

 

式典では、まず主催者を代表して、北橋健治北九州市長が挨拶。「久女さんと多佳子さんが出会った櫓山荘は、当時の文化拠点でした。お二人が活躍された素晴らしい業績は、いまも本市にしっかりと受け継がれています。この記念室に、多くの皆さんがお越しいただき、お二人の思いに触れていただければと思っています。」と挨拶。

市立文学館・中西学芸員による展示品の説明のあと、橋本多佳子さんの四女・美代子さんのお話を、市立文学館・今川英子館長が伺う形での談話となりました。

 

橋本美代子さんは「92歳まで生きていて、私たちが住んでいたところをこんな形で保存していただけるなんて、思いがけず感謝しかありません。」と述べられたほか、櫓山荘での橋本一家の生活をふりかえりながらお話になりました。

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また、橋本美代子さんが、杉田久女について「久女さんの俳句の格調というもの、女性としての威厳などは、間違いなく橋本多佳子が久女さんから教わったものだと思います。母は久女さんを心から尊敬していたと思います。」とお話になったのが大変印象的でした。

 

この記念室は、入場が有料の小倉城庭園の中にありますし、スペースとしても決して大きいものではありません。

でも、ここを訪れた人々が、杉田久女や橋本多佳子の業績の一端にふれていただき、興味をお持ちいただけたら、さらにすぐそばの市立文学館にお出かけをいただいて、さらにじっくりとお二人の業績に触れていただくことにつなげていけたら良いのではないかと感じました。

その市立文学館については、いま展示内容のリニューアルの検討に入っています。そこでは、日本近代女性俳句の源流をなした久女さんの偉大な業績に触れることのできる内容も重要な柱として展示されるものと期待しているところです。

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写真は、記念室オープン式典のもようです。展示のもようや橋本美代子さん(左)の談話の様子。またかつて櫓山荘にあったベンチや灯篭、蹲(つくばい)など。

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