子育ての拠点となるか-ふれあい交流プラザがオープン

北九州市がJR小倉駅北口のAIMビル内に整備をすすめてきた子育てふれあい交流プラザが今日の午前10時からオープンしました。これに先駆けて午前9時から記念式典が行われましたので出かけました。
同プラザには雨の日でも幼児が遊べるインドアのプレイゾーンのほか、保育士・保健師さんが子育ての悩みなどの相談にのる「子育て支援サロン」や、子育て支援団体の拠点となる「サポータールーム」なども設置されています。
プレイゾーンは、基本的に就学前の児童が対象で一人1回100円(団体50円)。同伴の保護者は200円となっています。多目的ホール(わらべホール)などの貸し室もあります。
来年で消えゆくFAZ法に基づいて建てられ、今なお苦闘が続く「アジア・インポート・マート」の救済目的との指摘もありますが、それはそれとして、地の利も決して悪くないと思いますし、この交流プラザが子育てを進める皆さんの拠点として、大いにその機能を発揮してほしいものです。

記念式典後、中を見学させていただきましたが、式典でくす玉を割った保育園幼稚園児たちが早速プレイゾーンで遊びに興じていました。(写真)

ところで来賓のご挨拶(衆議院議員で厚生労働大臣政務官の方ですが)で、気になる発言がありました。
いわく「かつて自民党の部会でも、延長保育や24時間保育?など、保育所の整備に中心がおかれてきた。しかし結局は積滞がでるばかりだった。私は、子どもの視点から見ないとおかしいのじゃないかと言ってきた。働いているお母さんばかりではなく、家庭でもしっかり子育てをしている。そういうお母さん方の子育て支援をすすめるということが大事だと言ってきた。ようやく最近になって政策が真ん中に寄ってきた。その意味で、北九州は最も先進的な子育て支援をやっておられることをうれしく思う。」 という要旨だったと私は受け止めました。

これまでの保育所の整備が間違っていた(ないしはやり過ぎだった)かのように思っておられるのでしょうか。(保育所の整備って、真ん中から、どっちに寄った政策なんでしょうね。ひょっとして左?)

女性の職場進出の結果、保育に欠ける子どもたちを放っておけないと保育所が整備されてはじめました。
しかし、少子化の進んだ今では、幼児が家庭で孤立するよりも保育園などでの集団生活を行う方が社会性を養うことができるなど、その役割が見直されています。保育園は、単なる「預かり」の場ではなく、地域の全ての子どもたちと保護者のための子育て支援の拠点ともなっているのです。これらの現状を十分ご理解いただいているのでしょうか。
 
もちろん延長保育や深夜におよぶ夜間保育が、ベストの選択ではないぐらい保護者の誰もが分かっているのです。しかしにもかかわらず、仕事を続けるためにはやむを得ない保護者の選択があり、支援のための保育制度がつくられてきました。
その背景には、先進諸外国に比べて男女ともに長時間労働を強いられ、家族がバラバラになる単身赴任などという異常な労働も慣習となってしまったかのような日本の労働実態があり、その結果がこうした保育を生み、結局は子どもたちがそのしわ寄せを受けています。
しかし、何よりもこうした現状を改善せず長期間放置してきたのは、厚生労働省と為政者たる自民党政権ではなかったのか。

長時間の保育に頼ることなく、保育士さんからの支援も受けつつ安心して子育てを続けられる社会制度のデザインこそ、今政治に求められている課題ですね。(でなければ出生率なんてあがるはずもない。)
特に子育中の社員を支援する企業の役割、労働環境の整備や子育て支援制度を整備する政府(特に厚生労働省)、そして国会の役割は大きいと言わなければなりません。
「女性は、保育所に預けることをやめて仕事を辞め、家庭に帰れ」などというアナクロニズムな主張をお持ちとは思いませんが、政務官には子育て中の国民へ効果的で安心できる支援を是非お願いしたいものです。

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