江戸時代に将軍徳川吉宗への献上品として、ベトナムから日本へ象がやってきました。長崎に上陸した象は長崎街道を歩き、木屋瀬・黒崎宿を経て小倉城下と門司を通って江戸に向かいました。子どもたちにも郷土の歴史に関心を持ってもらえればと八幡西区の母親たちが、この史実を題材に舞台を構成。実行委員会(木戸聖子委員長)を結成して2006年から上演活動をつづけてこられました。
今年は長崎街道開通400年。先月開館したばかりの「くろさき文化交流施設(ひびしんホール)」のこけら落としの一環として、記念すべき第7回目の「白象くんがやってきた」上演となりました。
上演では、歩いて江戸へ向かう白象の姿を見た人々に熱狂的に迎えられ、天皇や将軍への拝謁の後、身勝手な人間によって放置され衰弱死するまでを描きます。
地元黒崎のよさこい踊りやチンドン屋さん、南京玉すだれ演者なども登場して、にぎやかに舞台が進められました。
最後の悲しい場面では、「かわいそう!」との子どもたちの泣き声も聞こえましたが、カーテンコールでは、その着ぐるみ象さんが軽快なダンスを披露して子どもたちを喜ばせました。
演じたのはすべてプロではない地元の方々。ここまで持ってくるのは大変なご苦労があったことだろうと思いますが、ホールを満員にした観客はみなさんの熱演に惜しみない拍手を送っていました。
幕間には北橋健治市長も登場。「ホールもできるので地元黒崎でぜひ上演してはと申し上げたことが実現しました。大変感激しています。これからも大いにがんばって下さい。」と激励していました。
(写真は黒崎ひびしんホール。お隣には八幡西図書館もオープンしました。上演のようすは、撮影できませんので、20日付けの朝日新聞記事を掲載させていただきました。)