戦略的な視点をもって

北橋市長の経済顧問として就任していた鈴木茂氏が、拠点を東京に移し無報酬の顧問として活動を継続したいと申し出て、市長もこれを了解したことが報道されています。鈴木顧問側からの申し出によるものとされていますが、顧問としての報酬が高すぎると一部の市議会議員などからの批判にさらされてきたことが背景にあると考えられています。
鈴木氏は、もともと日銀福岡支店長時代に、前末吉興一市長のたっての要請で助役に就任した人。私も、鈴木顧問には、金融面での豊富な知見と幅広い人脈でこれから北九州市のために大いに働いてもらえるものと思っていただけに、このような形になり、今後どのような活動をしていただけるのだろうかと懸念しています。
特にこれからの地方債の発行管理については、金融機関の冷徹な分析にさらされ、自治体の財政力に不安があれば民間銀行から高い金利でも借りなければならない時代が目前に近づいています。0.1%でも金利が違えば、直ちに億円単位で格差が生じかねないなかで、自治体の冷静で着実な金融対策が必要なのです。
昨年の金融機関説明会(IR)で鈴木顧問のプレゼンは金融機関から高い評価を得たそうです。事情通からは「あの人のおかげで北九州市は、すでに何億円も得をしているよ。」との声も聞こえてきています。
また、企業誘致や国との折衝などにも力を発揮してくれるはずでしたし、民間金融機関を考査する部署の出身としてプロの立場から市財政の健全化にも力を発揮していただけるものと私は期待していました。
こうした氏の仕事の重要性からみた時、顧問報酬が「高いからけしからん」と単純に断じてよかったのでしょうか。
その重要性を十分に市民に説明できなかった我々も反省すべきだと思いますが、「戦略的視点」をもってことに当たることも、これからのわれわれ市議会議員(あるいは市幹部の方にも)には必要なのではないかと感じさせられています。

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