いよいよ待望の久女展がはじまりました。今日は市立文学館では久女のお孫さんの石太郎さんなどの参加を得て開会式が行われました。
今回の展示では、ホトトギスの同人を削除され虚子から疎まれた久女が
その苦悩を綴った書簡など、新公開の資料など貴重な展示をはじめ、久女の才能や魅力を紹介する多数の資料が展示されています。
近代女性俳句の源流をなした杉田久女の業績について、ぜひとも多くの方にご覧いただきたい展覧会です。
ところで、私は北九州市(小倉)が杉田久女の故郷だと思っていますが、その故郷の文学館で、開館5年目の第10回目の特別展でしか「杉田久女展」が開かれなかったことに、強い不満を抱く一人でもあります。
何故なら「久女さんは日本民族の宝」(田辺聖子さん)なのですから。
どうしてこの街は、未だに久女さんをこんな扱いしかできないのでしょうか。
この特別展を拝見して、「これは特別展ですよね。でも僕たちは、これがなぜ常設展ではないのか。久女の故郷の常設展示は、このくらいの内容が望まれているのではないだろうかと感じるのです」などと、私はまたまた毒づいてしまいました。
関係者には誠に申し訳なかったのですが、つい悪態をついてしまいました。それほど、まだ私たちは悔しいのです。
開会式で、私も所属する「久女多佳子の会」の柿本会長は「久女の業績への評価は、ここ数年で大きく変化してきた」と挨拶され、近年の久女再評価への動きを歓迎しました。大歓迎ですが「ようやくここまで来た。でも、まだまだ、だ」と私は思うのです。
それはともかく、俳句をお好きな方もお好きではない方も、ぜひ一度、市立文学館の「杉田久女展」にお越し下さいませ!