大正期の実業家・橋本豊次郎が小倉北区中井浜に建てた櫓山荘は、当時、多くの文化人が集うサロンともなりました。
豊次郎の妻・多佳子は、ここで杉田久女から俳句の手ほどきをうけ、久女と多佳子の二人は俳句の世界で大きな業績を残したことから、近代女性俳句の源流と評されることとなりました。
これらを記念して平成17年から始められた「櫓山荘子ども俳句大会」が今年も行われ、その表彰式が市立文学館でありました。
今年は、小学校21校、中学校19校、特別支援学校1校から、4,958名の児童生徒が応募してくれました。
表彰式には私も参加させていただきましたが、それぞれ子どもらしい良い作品が表彰されました。
大賞は光貞小学校6年生・前川優加さんの「秋の風 花の便りの宅急便」という作品でした。
表彰作品のうちで私が好きな句は、松ヶ江南小学校六年の北野凜太郎君の秀作「夏空にうかびあがりて大鳥居」。
夏休みに神社で空を見上げた風景でしょうか、青い空を背景に大鳥居が大きく見えたのでしょう。大変雄大で、良い句だと思いました。
写真は表彰風景(於 北九州市立文学館)です。