文部科学大臣が、子どもたちの学力低下問題について「国語、数学などの主要教科の授業時間をいかに確保するかが課題だ」と述べて、2002年度に導入した新学習指導要領に基づく「ゆとり路線」から「学力重視」へ転換する方向を示唆したと報道されています。
学力が低下する懸念は最初から織り込み済みだったはず。新指導要領に基づく学習の成果を充分検証しないまままの、路線転換は現場に混乱だけをもたらさないでしょうか。心配です。
私自身は、ゆとり教育と称して子どもたちから学ぶことを遠ざけることは本末転倒だと考えてきました。
教科に時間をかけることが問題なのではなく、子どもたちが学ぶということにどれだけ親しめるか、その技術を競うことこそ学校の役割なのではないか。言い換えれば、いかに学びに近づけるかが教育の本質なのではないかと思うのです。時間を増やすか減らすかで議論しても、あまり生産的ではない気がします。