トップが変われば

今日は市議会の厚生消防常任委員会が開かれました。議題は、主に陳情の審査。一つは生活保護申請権について、もう一つは人権行政の是正についてでした。
生活保護行政において、保護が必要な人々の申請権行使が制限されてはならないのは当然のことで論をまちません。門司区での孤独死事件など、実態としての問題は、要は市のトップが変われば解決していくことだと思います。
市長が、保護行政のあり方に関心をもち、適正な運営を心がければかならず改善していく問題だと私は思います。もう目の前に市長選挙があります。この点でも、市民の皆さんの、正しいご判断をぜひいただきたいものです。

人権行政についての陳情は、そのご趣旨がよくわからなかったのですが「同和行政が一般事業に移行したにもかかわらず、特別対策事業の名残のようなものが残っていて、これが差別を助長している。差別意識が残っていて対策が必要だとの保健福祉局長の議会での答弁は、過去の理念を踏襲しているので是正せよ」というような内容だったのだろうと思います。
私は、永く続いた同和対策事業が一定の成果を上げ、一般対策に移行したことを否定するものではありません。
しかし、一般対策への移行は、部落差別を根絶するために対象を限定した特別な対策事業をもって進める必要性がなくなったということであり。これをもっていきなりすべての部落差別がなくなったという機械的なものではないと思います。
だからこそ今後は教育や啓発事業を中心にした人権行政をすすめることによって人間としての尊厳を守る社会の実現をはかることとしているのです。
我々が考えなければならないのは、本当に部落差別はなくなったのかということでしょう。一部に、部落差別は、ないものをあるといって特定の団体が意図的に作り出しているかのような議論があります。本当にそうでしょうか。
最近でもひどい落書きや、ポストへの投函、インターネットへの書き込みなど、差別事件は頻発しています。
社会格差が拡がり、弱い物への攻撃性が強まっている社会風潮の中で、関係団体への消耗な罵りあいがつづくのを眺めている間に、いわれなき差別にさらされ人格を傷つけられる多くの人々が今後も放置されることになりかねないことをおそれます。
差別の実態を謙虚にみつめることが最も大事なのではないか、と感じました。

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