市議会保健病院常任委員会が開催され、「350万人のウイルス性肝炎患者の救済に関する意見書の提出について」「認定NPO法人 北九州ホームレス支援機構による抱樸館北九州の建設について」「生活保護の自立更生に充てられる経費の取り扱いの改善について」以上3つの陳情について審議がなされました。
このうち、肝炎患者の救済に関する陳情については、継続審査とした3項目を除いて採択することとしたほか、抱樸館の建設に関する陳情も採決されましたが、賛成者はなく全会一致で不採択となりました。
抱樸館は、これまでも北九州市と協力してホームレス自立支援活動を実施し成果を上げてきたNPOホームレス支援機構(奥田智志理事長)が設置を計画している施設で、路上生活者を含めた孤立・困窮者を対象にシェルターや就労・住宅・介護支援などの機能をもつとされています。
今回計画中のものと同様の支援施設はすでに福岡市でも開設されていますし、脳科学者の茂木健一郎さんや北九州市社会福祉協議会会長なども、趣旨に賛同して建設を支援してきました。
同NPOは、建築基準法など法的課題をクリアーして、建設へ進みたいとしてきましたが、説明会の設定nなど地域住民との当初の意思疎通に不十分な点があったためか、建設差し止めを求める陳情が市議会に出され審議されることになったものです。
市議会では、7月の委員会でこの問題を審議、様々な意見を交わしましたが、その際、私からは「小倉北区でもかつてホームレス自立支援センターが開設される時、4千人を超える反対署名が出されたが、その後、路上生活者は激減しセンターの運営も特に問題はなかったため、今では地域自治会自身が同センターの応援団を自認してくれるまでになった。地域住民に誤解がある気もしており、今後も双方が誠意を持って率直に話をしてほしい」と申し上げていました。
この間、住民説明会は11回の開催となり意見交換も進んできたこと、NPO側も当初の不信を招いた態度について謝罪、建物のあり方についてもさらに誠意を持って対応するとしたうえで、困窮孤立者を支援する施設の開設は、ぜひ現地で実現させてほしいとしていることから、私たちも施設や事業の意義を認め、一定の区切りが必要だとの判断にたち、同陳情については不採択とする態度としたものです。
委員会では、退席者はあったものの出席した委員は党派を超えて全員が同様の考えだったと見受けられ、陳情は全会一致で不採択となりました。
陳情が不採択となりましたので、抱樸館建設は新たな段階に入るものと思いますが、今後も住民とNPOとは率直な意見交換を行って、お互いに誤解があるとすればぜひそれを解いていただき、より良い支援施設になってほしいものだと願っています。