大連立がなぜ必要か、説明を

いよいよ菅首相の辞任が日程にのぼり、月末にも行われる民主党代表選挙で次の首相が選出されることになりそうです。こういう時には代表選挙は衆参国会議員のみの投票で選出されることになっているので(時間がないからだそうで)、草創期からの民主党員たる私には1票の投票権もないのです。(私はせめて、国会議員以外でも各県連代表で一人とかの地方投票権や、自治体議員にも何らかの投票権を持たせたらいかがかとは思いますけれど。ま、主要政党のなかで地方政治を統括する部局を持たない極めて特異な政党ですから、今は望み薄でしょうかねえ。)

こうした中で、代表選挙に出馬するだろう人々からは(たとえば野田さんのように)自民・公明党との大連立をぶち上げる人もでてきました。
大連立は、小沢さんもかつて強行しようとして撤回したいきさつがあるように、衆参ねじれの政治状況を引き合いに事あるごとに取りざたされてきました。
私は、野田佳彦さんの分かりやすい演説や、どっしりとした風貌など、その政治スタイルも決してきらいではありません。

でも、大連立って具体的には誰を相手にするというのでしょう。
自民党にもいろいろありますね。小さな政府を目指した小泉・安倍路線は、社会保障を破壊し、多数の非正規労働者を生み出した上で、社会格差を拡大して国民から総スカンを食らった結果、民主党政権が誕生する原動力になりました。新自由主義を標榜する自民党勢力と連立するというのでは、今度はイギリスのように日本でも暴動が起きるかも知れない。戦争を美化する国家主義者さんたちとも、本来民主党は肌合いが違うと思いますしね。
また、日本経済の再建のためには、いま増税するのは悪影響にならないのか、デフレから脱却し税収を上げなければ、財政再建もありえない。多額の復興財源を、増税だけでは乗り切れない上に、社会保障の財源調達も不可欠。これら基本課題を論じると、与野党を問わず政治的な色合いの違いがみえてくるのかも知れません。
つまりは大連立は政界再編成の始まりに他ならないのではないか。そんなことを懸念する国民の声も聞こえてくるようです。
「いやいや復興のための期間限定の救国内閣なんだよ」とするならば、その救国内閣はいつまで続き、次期総選挙はどんな争点で闘うのか、その時、闘う相手とは誰なのか。それまでに何ができて、何ができないのか、具体的な構想を示さなければ、国民の信用は得られないのではないでしょうか。
「蚊帳の外」の我々だとはいえ、今後も動向を注視していくことにしましょう。

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