「30人学級実現には23億円が必要」 市長質疑

 今日は決算特別委員会審議の締めくくり、市長出席の総括的質疑です。大会派順に20分ずつ、事前に通告した事項について質問します。
 副主査の私は分科会の時間管理に徹することとして、わが会派からは佐藤昭紀議員が代表して質問されました。
 質問は、災害時や教育現場でのカウンセラーの配置問題、特別会計化あるいは条例化によるごみ処理経費の明確化、少人数学級についての3点。

 「中学へのカウンセラー配置は完了」

 このうち駒田教育長が、学校カウンセラーについて「中学校での臨床心理士配置は16年度で全校配置が完了し、56名を周2回派遣して相談を行い14000件の相談を受けた。校内研修や小学校への派遣にも活動し子どもたちの心のケアなどが図られている。重大事件が起きた場合については、複数のカウンセラーが集中的にあたることとしている。」と答弁しました。
 カウンセラーが相談にあたることはもちろん悪いことではありません。教育長は「いじめなども少なくなってきている」と述べていました。でも、まだまだ中学生期の生活指導や心と体のケアについては研究の余地がある、というのが私の率直な感想です。

 30人以下学級には33億円かかる?

 また少人数学級については「小学校の普通学級は1707クラス。このうち30人を超える学級は55%。仮にこれらをすべて30人以下学級とすれば415クラスが必要となる。担任教諭として、現在の加配教諭186名をそのまま転用してもなお229名が必要だ。単純に平均給与をかければ約20億円が人件費として必要となる。また、教室は空き教室などすべてを転用してもなお27教室が不足し、改修費は13億円ほどが見込まれる。またそのほかに教材教具なども必要となる。これらは仮の計算であり、学級の規模などは国でも結論を見ていない。引き続き検討していきたい。」との答弁でした。
 市はこれまで「加配教員を中心に少人数指導の工夫・充実を図り、平成15年度からは非常勤講師を雇用し、小学校1、2年の国語と算数について少人数・習熟度別指導を行っている。この取組には、1人の子どもに複数の教員がかかわり、多面的評価ができるなど、固定化された学級にはないメリットがある。」(2月議会での答弁)として学級の生徒数を1クラス30人以下とする「少人数学級の実施」には消極的な立場をとってきました。
 1クラスの生徒数がどのくらいが適当なのかは、その際の教員配置なども含めてまだまだ議論のあるところだと思いますが、いずれにしても現状のままでの少人数学級を実施するには財政的にもかなりの経費がかかることを示した点で、注目される答弁でした。

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