3週間感染ゼロが続く北九州市。でも慎重な対応を。

福岡県を含む39県の緊急事態宣言が、5月14日に解除されてから初めての北九州市議会で保健福祉委員会が5月20日に開かれ、新型コロナウイルス感染症対策の現状が報告されました。

北九州市では、4月29日以来、3週間にわたって新たな感染症患者が確認されていません。この間のPCR検査数は2400件。5月2日からは、PCR検査センターを開設しドライブスルー方式での検査も実施中です。
これまでの陽性患者さんは76人ですので、陽性率は2.5%ということになります。
市当局の報告によれば現在、新型コロナウイルス感染症に対応できる病床数は市内で86床程度ですが、入院中の患者さんは5人と少数で、うち軽症者が3人おられるとのことでした。
また病床のひっ迫に備えて、軽症者用の宿泊施設として福岡県が借り上げているホテル東横イン北九州空港(219室)も利用ゼロが続いているとのことでした。

こうした現状を見る限り北九州市内においては、新型コロナウイルス感染症は、幸いなことに落ち着きを見せていると言うことはできるでしょう。でもまだ油断はできません。
落ち着きを見せているからと、安易に体制を縮小してしまっては後悔することになりかねません。

そこで委員会では「今後いずれは体制の縮小をすることになると思われるが、慎重な対応が必要ではないか」と申し上げました。
特に、東横インは県が対応しているので、安易な撤退とならないよう留意するべきだとも指摘したところです。
もちろんまだその時期ではないと思いますが、今後、必ずやらねばならない課題としては、今回の新型コロナウイルス感染症蔓延が終息した後に、今回の対策を教訓に、改めて「北九州市健康危機管理計画」のバージョンアップが必要だと、考えています。

10年前の新型インフルエンザ対策をへて策定された市の健康危機管理計画は、平成30年に改訂されて運用されてきました。今回の新型コロナウイルス感染症対策には、この健康危機管理計画があったことで、比較的迅速な医療機関との連携や市の体制整備が進められたのでした。

しかし、医療資材の備蓄や検査体制、医療機関との連携や、休業要請に伴う地域経済への支援策など重要な課題も多く見つかったはずです。

これらを検証しながら、次の感染症蔓延に備えるバージョンアップされた健康危機管理計画が必要だと感じています。

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