苦闘する福岡空港運営会社 北九州空港は自力で利活用拡大の模索を 市議会特別委員会

現在は国の空港である北九州空港で、空港運営権を民間に売却して移管するコンセッション方式を導入することが適当かどうか、私も所属する北九州市議会北九州空港機能強化・利用促進特別委員会では様々な角度から調査研究を続けています。
10月1日には、2019年4月から同方式で民営化された福岡空港の運営会社・福岡国際空港株式会社(FIAC)の吉村稔経営本部特任部長を参考人としてお招きして現状を伺いました。
吉村参考人からは、日本の空港で4番目の旅客数規模、滑走路一本の空港としては日本一の旅客規模でスタートした中で、新型コロナウイルス感染症による思わぬ逆風がありつつも、今後も着実な運営をめざして頑張っていく意向が表明されました。

私からは、5月時点で多額の赤字と報道されていた状況や、旅客数の目標など計画の変更の有無などをお尋ねしました。
吉村参考人からは、予想を超える多額の赤字が発生し、国土交通省への運営権対価の減額や繰り延べなどを要請したものの、若干の猶予だけは実現したこと、また、旅客数の確保など状況は必ず好転することを信じて、予定されている滑走路の増設や時間当たり発着回数の増加などに、今後も着実に取り組んでいきたいなどのお答えがありました。

福岡空港滑走路増設のイメージ図。2024年度完成をめざしている。(FIAC資料より) 

福岡空港は、インバウンドなどで大幅に旅客数が増加する将来予測に基づけば、近い将来、輸送能力が上限に達すると見込まれ、北九州空港ではその受け皿となるべく連携の取り組みを行うことが利用拡大の要素とされてきました。
しかし、福岡空港の現状は、当面は落ち込んだ旅客数等の自力回復を第一の目標とすると思われます。
そのため北九州空港では、福岡空港で受け入れ上限を超えた旅客の受け皿需要を見込むよりも、まず自力で利活用の拡大を模索することが求められているものと受け止めました。
北九州空港活性化の方向性は、なによりも調査費が計上された滑走路の3000メートル化を一日も早く実現して、物流機能を強化し、貨物拠点空港としての地位を確立すると同時に、旅客に関しては、東京便の増便と、LCCによる成田便の就航、また持続可能な海外便の確保につとめることが柱となるべきものと思われます。

北九州空港機能強化・利用促進特別委員会では、今後も、北九州空港の機能強化等のあり方について調査研究を進めて行くこととしており、私も、わが会派の奥村直樹議員と共に、引き続き議論に参加していく予定です。

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