未就園児童等の孤立を防ぎ、虐待を予防する支援を要望 北九州市議会決算特別委員会

連日続いてきた令和元年度の北九州市決算特別委員会分科会の審査も最終日を迎え、9月28日には北橋市長が出席する総括的な質疑が行われました。
そこで私が北橋市長に質問したのは、保育園や幼稚園などに就園しておらず、健診未受診や各種の福祉サービス等をも利用していないため、安否確認が困難な子どもたちの調査結果についてでした。

2018年3月に東京都目黒区で発生した虐待の犠牲になった当時5歳の船戸結愛ちゃんは、亡くなる前の年に幼稚園を退園し、その後、保育園にも幼稚園にも通っていなかったことが報告されています。
保育園や幼稚園が、児童の生活や身体的状況を日常的に把握する機会が多いことから、虐待の発見などにつながる重要な役割を果たしていることはよく知られていますが、保育園や幼稚園などに就園していない児童の場合、家庭での状況が把握できず虐待のリスクも高いことが考えられます。

実は、政府は目黒区の事案のような虐待死を防ぐための緊急総合対策の一環として、乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握を実施するよう、一昨年度から全国の自治体に指示しています。
また超党派の議員条例として制定された北九州市子どもを虐待から守る条例の第13条第2項においても、こうした状況にある子供を目視するなどにより安全の確認に努めることとされています。

そこで、2点質問しました。
1点目は、本市における3歳から5歳の児童で、保育園にも幼稚園、認定こども園にも就園していない子供たちの現状。
第2点目は、政府から依頼された令和元年度の本市における乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の調査結果及び安全確認の結果について、です。

北橋市長からは、3歳から5歳までの児童のうち、保育園・幼稚園等に就園していない本市の3歳から5歳児は、対象児童の2.7%、618人であること。また健診の未受診などにより、所在や安否を、目視等で確認する必要のある児童は 44人。うち義務教育就学前の未就園児は34人で、昨年11月30日までに全員の安全を確認できているという答弁がありました。

まずは全員の安否確認ができているということで一安心ですが、その上で、一旦安否確認ができたとしても、その子どもたちの孤立状態が続くとすれば、問題を抱えるリスクは依然として大きいものと言わざるを得ません。
東京都杉並区では「子育て寄りそい訪問事業」として、こうした子どもたち、把握対象児童を継続してケアする仕組みをスタートさせたとお聞きしており、北九州市でも、未就園等の状態にあり、孤立しがちな児童の保育園などへの就園促進や、保護者・家庭も含めて必要な相談ができるような支援制度が必要なのではないかと検討を要望しました。
制度のはざまで取り残され、安全が脅かされるような児童がないよう、今後も注視して、支援策の充実に取り組みます。

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