市立文学館ようやくリニューアルオープンするも再閉館に

東アジア文化都市開会前の今年3月18日にオープンする予定でリニューアルを進めてきた市立文学館が、新型コロナウイルス感染症対策に伴う休館をへて、ようやく5月26日にオープンしました。
ところが、北九州では新型コロナウイルスの新規感染症が続いたことで、28日から再び休館となってしいました。残念ですが、改めての開館を待ちたいと思います。

そこで、再開館後を視野に、リニューアルの概要をご報告したいと思います。
リニューアルされた市立文学館では、主要な展示を一新。

その特徴は、まず何よりも常設展示で北九州市ゆかりの著名な文学者として、森鴎外、杉田久女、橋本多佳子、林芙美子、火野葦平、宗左近の6氏の展示を柱にしたことです。
これにより、それぞれの素晴らしい業績を改めて知り、北九州市に脈打つ豊かな文芸土壌を感じることができるようになりました。

2F常設展示室

2F常設展示室

実は、この展示の方向性は、市立文学館の構想中から検討され求められたものでしたが、具体的な計画設計の段階で議論が生煮えとなり、結果として、中途半端なものとなっていったものと私は認識しています。
全国的にも著名なこれらの作家たちの業績が、本市が誇るべき文学的財産として、ようやくにして堂々と展示されるに至ったものです。

6人のうちの一人、小倉の生んだ天才女性俳人・杉田久女のすばらしい業績を顕彰し、その情報を発信していく役割を文学館に求め続けてきた一人として、私自身、今回のニューアルを大いに評価するものです。
展示では、これらに加えて、現在も活躍中のゆかりの作家の皆さん(たとえば、

1F企画展示室

平野啓一郎さんやリリーフランキーさん松尾スズキさんなどなど)のコーナーも設置されました。散文や俳句や川柳、児童文学などジャンルごとの展示も。計11台のデジタル展示器が、作品や重要資料の深読みを助けます。
多言語にも対応、世界に広がる北九州文学の様子も紹介しています。

文学館のシンボルである、世界的な建築家・磯崎新さんがデザインしたステンドグラスの前のスペースは広くなって、様々なイベントや交流に活用されそうです。

ステンドグラス前

「記憶を刻み、未来につなぐ」市立文学館。感染症対策をすすめながらではありますが、再び新型ウイルス感染症の終息が見えて、再び開館された際には、ぜひ多くの方々にご来館いただきたいものと願っています。

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