「市財政が破綻寸前」というのは「評価の一例」? 武内市長が答弁―3月議会で論議

北九州市議会3月定例会は今日から質疑・一般質問が始まり、武内和久市長就任後、初めての質疑応答となりました。
私たちの会派・ハートフル北九州からは、代表の森本由美市議と、泉日出夫市議が一般質問に立ち、武内市長の選挙中の主張や公約の内容について質しました。

武内市長が選挙中、2021年11月の日経新聞の記事を用いて本市が「財政破綻しそうな都市全国ワースト2位」と主張した点について、森本議員は「記事が、後年度負担額に将来全額交付税措置される臨時財政対策債を算入していることは適当ではない。国の財政健全化法で定める健全化判断比率の指標を本市はすべてクリアしており、およそ危機的状態にはない」と指摘。それでも「市長は本市の財政状況を破綻寸前とお考えなのか」と尋ねました。

これに対し、武内市長は「ご指摘の健全化判断比率の指標はその通りで、国の基準を下回っているが、政令市平均は上回っている。日経新聞の記事は、報道機関による市の財政状況の評価の一例として取り上げたものだ」と答弁しました。

本市財政の状況が大変厳しいものであることは、いまさら武内市長から言われなくても、私たちも16年前の北橋市政発足時から重々分かっていたことです。
その要因は、北橋市政以前の市政時代の莫大な公共投資による市財政の圧迫にこそあります。
だからこそ北橋市長は、福祉や教育、環境そして次世代への投資など、本市の発展に必要な財政支出を着実に進めながらも、一方で、厳しい税財政改革を進めて何とか持続可能な財政を創ろうと努力し続けてきたのです。
そしてその結果、本市財政の現状は、決して「破綻寸前」なんかではありません。

「財政は破綻寸前だ」との認識と、「厳しいが着実な財政運営を」との認識では、大きな違いがあります。破綻寸前であれば、あの夕張市のように、本来あってはならない市民福祉サービスの削減などが強行されるでしょう。
取るべき施策が全く違ってくるはずです。

いくら選挙だからと言って、支持を集めるために「財政ボロボロ、破綻寸前」など事実とかけ離れた主張を続け、指摘されると、(自分の見解ではなく)評価の一例として取り上げただけだと開き直るのは、あまり褒められた態度ではありませんね。
ただ、武内市長も答弁の中で「私も公人となったので」と、今後は態度を改めると示唆されていますので、この点は引き続き注目していきたいと思います。

今日の本会議ではこの他、武内市長が公約した子育て支援等の実現可能性、官民連携による行財政改革推進のための官民合同チームの構成や役割、人口100万人都市の復活の実現可能性などなど、それぞれに興味深い論議がなされました。
これらについては、今後、本ページでもご報告していきたいと思います。

 

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